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(126) 北海道警察ヤジ排除、男性逆転敗訴 札幌高裁「危険性が切迫、適法」 女性勝訴は維持

 

 

 

 

4年前の安倍晋三首相(当時)の街頭演説への批判・ヤジについて、札幌高裁において、男性について逆転敗訴となった。
信じられない判決だ。司法への不信が高まるだけだ。
社会の閉塞感を醸す判決だ。主張を通すためには、実力行使しかないのであろうか。
ヤジって、おおらかな表現の自由だと思うのだが。


北海道新聞の記事を二つ紹介する。

 

www.hokkaido-np.co.jp


道警ヤジ排除、男性逆転敗訴 
札幌高裁「危険性が切迫、適法」 女性勝訴は維持


2023年6月22日 15:21(6月23日 01:08更新)

「一部勝訴」などの垂れ幕を持ち報道陣の質問に答える原告団=22日午後3時15分、札幌高裁前 


 札幌市で2019年、安倍晋三首相(当時)の街頭演説中にヤジを飛ばし、道警の警察官に違法に排除されたとして、男女2人が道に計660万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が22日、札幌高裁であった。大竹優子裁判長は計88万円の賠償を道に命じた一審札幌地裁判決のうち、男性の排除は適法だとして、男性への賠償命令を取り消した。女性に55万円を賠償するよう命じた部分は支持し、道の控訴を棄却した。一審に続き、女性は違法な排除により表現の自由を侵害されたと認定した。
 原告は共に札幌市北区の団体職員大杉雅栄さん(35)と桃井希生(きお)さん(27)。大杉さんは上告を検討する。
 争点は道警の排除が、人に危険が及ぶ恐れがあり急を要する場合、市民を避難させられるなどと定めた警察官職務執行法の要件を満たしていたかどうか。昨年3月の一審判決は、大杉さんを排除しようとした行為の一部と、桃井さんを排除した行為の全てについて、要件を満たしていないため違法と判断した。
 道警側は控訴審で、排除直前に自民党関係者が大杉さんを2度押す様子が写っている動画を新たに提出した。大竹裁判長はこの動画の内容などから「大杉さんが聴衆から暴行を受ける具体的な危険性が切迫していた」と認定。安倍氏に危害を加える恐れもあったとして、排除は警職法の要件を満たしていたと判断した。大杉さん側の「警察官から何も警告も受けておらず、危険な事態はなかった」との主張を退けた。
 桃井さんを排除した行為については一審判決と同じく、具体的な危険が生じていたとは認められず、違法とした。ヤジは「政治的な意見表明としてなされた」として、憲法が保障する表現の自由を侵害したと認定した。排除後の桃井さんに警察官が約1時間同行したことも違法とし、移動の自由や名誉権を侵害したと指摘した。
 2人は別々の場所で声を上げ、警察官の対応も異なっていたため、高裁の判断は分かれた。
 原告の弁護団は「判決に深く失望した。不合理で恣意(しい)的な判断で結論を変更したと言わざるを得ない」との声明を出した。道警監察官室は「判決内容を精査し、対応を検討する」とコメントした。
 二審判決によると、2人は19年7月15日、札幌市の演説会場で安倍氏に「安倍やめろ」「増税反対」などと叫び、警察官に排除された。(山中龍之助)

■秩序維持で表現の自由に制限 やむを得ない 東京都立大・星周一郎教授(刑法)の話
 判決は原告男性と聴衆との間に小競り合いが起きていた点を強く考慮した印象だ。男性の行動により、暴行事件などに発展する切迫性が高まったとして、警察官が排除した行為が合理的だったと判断したのだろう。
 一般論として、デモ行進や駅前での演説には許可がいるなど、安全確保の面から表現の内容が部分的に制限される。聴衆と演説者の安全を担保できない状況は正常とはいえず、秩序を維持するため、表現の自由に一定の制限がかかるのはやむを得ない。

■「警察官の判断認めざるをえぬ」結論ありき 北星学園大・岩本一郎教授(憲法学)の話
 二審判決は警職法の解釈や適用に関して、表現の自由の意義を踏まえずに判断した。会場で危険が生じる蓋然(がいぜん)性が明らかではない。さらに、危険を回避する方法として、排除以外になかったかも検討すべきだった。
 原告の2人を巡る判断に差が出たのも、判決の説得力を欠く。安倍晋三元首相と岸田文雄首相への襲撃事件が発生したことも背景にあるのだろうが、「一定程度は警察官の現場判断を認めざるをえない」という結論ありきの解釈をしたことがうかがえる。


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