社会と個人 どう向きあうの

林住期 どのように暮らすのか。日々、自問自答する。

(99) 「Winny」鑑賞

 

 

 

 

 

昨日(4月8日)、半ドンの仕事を終わって、なんば東宝で13時15分からの部を鑑賞。6割ぐらいの入り、若い人が多かったのが意外だった。

 

映画.COMから

ファイル共有ソフトWinny」の開発者が逮捕され、著作権法違反ほう助の罪に問われた裁判で無罪を勝ち取った一連の事件を、東出昌大主演、「ぜんぶ、ボクのせい」の松本優作監督のメガホンで映画化。

2002年、データのやりとりが簡単にできるファイル共有ソフトWinny」を開発した金子勇は、その試用版をインターネットの巨大掲示板2ちゃんねる」に公開する。公開後、瞬く間にシェアを伸ばすが、その裏では大量の映画やゲーム、音楽などが違法アップロードされ、次第に社会問題へ発展していく。違法コピーした者たちが逮捕される中、開発者の金子も著作権法違反ほう助の容疑で2004年に逮捕されてしまう。金子の弁護を引き受けることとなった弁護士・壇俊光は、金子と共に警察の逮捕の不当性を裁判で主張するが、第一審では有罪判決を下されてしまい……。

金子役を東出、壇弁護士役を三浦貴大がそれぞれ演じるほか、吉岡秀隆吹越満らが脇を固める。

 

www.youtube.com

 

週刊文春 CNEMA! 2023年春号 から 8番目に紹介されている。

 

 

 

著作権法違反ほう助の裁判を主軸としながら、警察裏金の告発をもう一方の流れとして、二つの軸が緊張感をもってストーリーが展開する。
面白かった。

東出昌大がいい。三浦貴大も純朴な弁護士を好演。
法廷内の駆け引きも面白かった。傍聴席の顔ぶれが気になった。報道席以外は、エキストラだと思うが

裏金告発の警察官・仙波敏郎・吉岡秀隆、存在感さすが。

 



 

周りを手堅く。



 

リアルタイムでは、私にとって Winny は関心の対象外であった。2002年から7年にわたって若き開発者・技術者が戦っていたことを知らなかった。

 

 

Winny - Wikipedia

Winnyウィニー)とは2002年に開発されたPeer to Peer(P2P)技術を応用したファイル共有ソフト、電子掲示板構築ソフト。

利用者に悪用され、著作権を無視してコピーされたファイルの送受信など、深刻な被害を引き起こしたほか、暴露ウイルスと呼ばれるコンピューターウイルスの媒介やそれに伴う個人情報や機密情報の流出、児童ポルノの流通、大量のデータ交換に伴うネットワークの混雑などの社会問題に発展し、安倍晋三内閣官房長官(当時)が会見で使用中止を呼びかけるまでに至ったほか、作者である金子自身が京都府警に著作権法違反の容疑で逮捕されるなどの騒動に発展した。

概要
Winny東京大学大学院情報理工学系研究科助手(当時)の金子勇によって2002年に開発が始まった。当時すでにNapsterWinMXなどのP2Pファイル共有ソフトが存在し、著作権法に違反する違法なファイル交換が流行しており、逮捕者が相次いでいた。Napsterの運営会社もアメリカ連邦裁判所で、2001年に違法判決を受けていた。

この時期、金子は検閲が極めて困難な情報公開システムを目指すFreenetというP2Pシステムを手本にWinnyの開発を開始した。Freenetは情報がどこに保存されているのか、また、誰が情報の発信者であるのかを容易にわからないようにして、政府による情報の検閲・削除を不可能にしようと計画されていた。WinnyFreenetの思想を受け継ぎ、情報発信者の追跡困難性と、通信の秘匿性、Winny利用の検知困難性を企図して設計された。

開発者とソフト名
金子は掲示板サイト2ちゃんねるのダウンロードソフト板に匿名で書き込みを行い、ユーザーとやりとりしながら開発を進めた。彼は最初の書き込み番号であるを名前として使用していたことから利用者からは「47氏」と呼ばれていた。
当時のダウンロードソフト板ではP2Pファイル共有ソフトWinMX著作権法に違反するファイル共有目的に広く使われており、新しい共有ソフトはその後継を目指すという意味合いを込めて、MXの2文字をアルファベット順にそれぞれ1文字ずつ進めたWinNY(後にWinny)がソフトの名前として決まった。
ユーザー数の変動
ACCSの実態調査では、2006年6月調査でWinMXを初めて凌駕して国内最多の利用者率(主に利用している人が33.3%)となり、ネットエージェントの報道によると、2006年4月時点でのユーザー数は44万人から53万人程度であるという。

 

(略)


朝日新聞の関連記事を紹介します。

ネット上の「神」が望んだ技術者の未来は 映画「Winny」公開へ:朝日新聞デジタル

 

人を刺したナイフが罰せられないように、情報漏洩に使われたWinnyというソフト自身は処罰の対象にならない。ほう助というあいまいな罪で、開発者を罰しようとしたことは誤り。開発の意欲をそぐものだ。
理屈は、そのようなことだと思う。

技術の進歩はリスクを背負うものだ。そのリスクをみなが容認するのだろうか。

映画を見ながらそんなことを考えた。
警察の裏金問題の決着に、Winny の功罪が示されることになる。

 

 

青臭くもない。主人公の全面賛美でないのがいい。
警察や検察のやり方には腹が立った。晴れて無罪になって、わずか1年余で心筋梗塞でなくなる (42才)。悲しい結末。

「才能が潰される悲劇、起きてほしくない」(東出昌大) 、私も同感だ。
監督の松本優作さん(30)は「出る杭は打たれる社会の中で、技術者の未来のために闘った人たちの存在を知ってもらいたい」と。

いろいろと勉強になった。そして、やっぱり面白かった。
評価 90点。

 

 

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