社会と個人 どう向きあうの

林住期 どのように暮らすのか。日々、自問自答する。

(393) 「2度目のひとりぼっち」と「傲慢と善良」の二つの映画を鑑賞

 

 

 

 

 

 

 

 

2本の映画をはしごした。

まずは、「2度目のひとりぼっち」。
昨日 (10月16日) 、大阪ステーションシネマで8時30分からの部を鑑賞。観客は思いのほか少なかった。

  

 

映画.COMから


それぞれ2度のオスカー受賞経験を持つイギリスの名優マイケル・ケインとグレンダ・ジャクソンが、「愛と哀しみのエリザベス」以来50年ぶりに共演し、89歳の退役軍人がノルマンディー上陸作戦70年記念式典に参加するため老人ホームを抜け出した実話を基に描いたヒューマンドラマ。

2014年、夏。イギリス、ブライトンの老人ホームで暮らす老夫婦バーナード(バーニー)とレネは、互いに寄り添いながら人生最期の日々を過ごしていた。ある日、バーナードはフランスのノルマンディーへ向かってひとり旅立つが、彼が行方不明だという警察のSNS投稿をきっかけに、世界中で大きなニュースとなってしまう。バーナードとレネが離ればなれになるのは、今回が人生で2度目だった。決して離れないと誓っていたバーナードがレネを置いて旅に出たのには、ある理由があった。

監督は「シンクロ・ダンディーズ!」「理想の結婚」のオリバー・パーカー。本国イギリスでは2023年10月に公開されたが、グレンダ・ジャクソンは同年6月に他界し、これが長編映画の遺作となった。

2023年製作/96分/G/イギリス
原題または英題:The Great Escaper
配給:東和ピクチャーズ
劇場公開日:2024年10月11日

 

www.youtube.com

 

ノルマンディー上陸作戦70年記念式典 (2014年6月6日) に参加するため、イギリスブライトンの老人ホームを「脱走」する89才退役軍人の物語。海を渡って老兵仲間やかつての敵兵とも心を通わせる。悲惨な戦争を生き延びた兵士が心身に追う傷、そして、銃後で待つ者の悲しみ。

 

ノルマンディー上陸作戦

 

ノルマンディー上陸作戦
1944年6月、米英主力の連合軍が上陸に成功、ドイツ軍を後退させ、第二次世界大戦終結に導いた。

 第二次世界大戦の末期、1944年6月6日、連合国のアメリカ、カナダ、イギリス軍は、フランスのノルマンディー海岸に大規模な上陸作戦を敢行した。その兵力は1日だけでも約10万人、それを5000隻の艦艇と、1万2000機の航空機が支援した。これは「オーバーロード(大君主)作戦」と呼ばれ、アメリカのアイゼンハウアー元帥が指揮を執り、1週間で50万の兵員を上陸させた。ドイツ軍はロンメル元帥が指揮し、30万の兵力と1000台の戦車で迎え撃ったが、艦砲射撃と空爆によって有効な反撃ができず、連合軍の上陸を許した。ドイツ軍はやむなく撤退したが、敵に損害を与えながらの撤退戦術で、アメリカ軍に大きな損害を与え、アメリカ軍の当初半年でドイツは降伏すると予測していたが、実際には1年かかることとなった。
 1944年12月、ドイツ軍は、西部戦線のアルデンヌに残存戦力を結集し、最後に作戦を敢行、一気に挽回して補給の要地であるベルギーのアントウェルペンまで押し戻そうという「バルジ作戦」(バルジとは「突出」の意味)を敢行したが、10:1の空軍力の差で進撃は食い止められ、1945年1月に両軍約50万の死者を出し、西部戦線最後の会戦は終わった。

  

 

戦争での痛手、トラウマ。70年たっても消えない。

 

  

 

 

ノルマディー海岸は100キロ。100キロは大阪市から姫路までぐらい。
ノルマンディー作戦 (1944年6月6日から25日) で、連合軍とドイツ軍合わせて死傷者は、約42万5000人にのぼったという。


老人ホームを「脱走」したバーナードはノルマンディー作戦70周年式典に参加する。

 

 

かつての敵兵と交流をする。

 

 

亡き戦友の墓地に。バーナードは、「みんな無駄死にだ」と呟く。

  

 

マイケル・ケインとグレンダ・ジャクソン演じる老夫婦バーナードとレネ。素敵な夫婦、ユーモアもあって。
式典から戻ってくるバーナードを待つ、レネが念入りに化粧をし身づくろいをする。とてもかわいい。
帰りを待つのは、戦争の時と2度目。戦争のときは、悲哀と不安。2度目の今回、レネがハッパをかけてバーナードを送り出す。
「私たちはやり遂げた」レネの言葉が、この70年 ふたりがどのように生きて、寄り添ってきたのかを物語る。

 

 

 

 

 

映画『2度目のはなればなれ』公式サイト

 

 

 


心温まる映画。映画は96分だけれど、中身が充実。大満足。
私の評価 95点。

 

 

 

さて、2本目。

「傲慢と善良」は、梅田東宝シネマで11時25分からの部を鑑賞。満席、9割は若い女性。「キスマイ」の人気恐るべし。

 

 

映画.COMから

直木賞作家・辻村深月が現代に生きる人々のリアルな恋愛観と価値観を描いた同名ベストセラー小説を、藤ヶ谷太輔奈緒の共演で映画化した恋愛ミステリー。

これまで仕事も恋愛も順調だった西澤架は、長年交際していた恋人にフラれたことをきっかけに、マッチングアプリで婚活を始める。そこで出会った控えめで気の利く坂庭真実と付き合い始めたものの、1年経っても結婚に踏み切れずにいた。ある日、真実がストーカーに狙われていることを知った架は、彼女を守るためようやく婚約を決意するが、真実は突然姿を消してしまう。真実の行方を求めて彼女の両親や友人、同僚、過去の恋人を訪ね歩くうちに、架は知りたくなかった彼女の過去と嘘を知る。

婚活で交際を始めるも1年も将来を決めない“傲慢”な架を藤ヶ谷、親の敷いたレールの上で“善良”に生きてきた真実を奈緒が演じ、倉悠貴、桜庭ななみ、菊池亜希子、前田美波里が共演。実写映画「ブルーピリオド」の萩原健太郎監督がメガホンをとり、「ホテルローヤル」の清水友佳子が脚本を手がけた。

2024年製作/119分/G/日本
配給:アスミック・エース
劇場公開日:2024年9月27日

 

www.youtube.com

 

主題歌はナトリの「糸電話」。

www.youtube.com

 

糸電話
作詞・作曲 : なとり


鍵をかけた心にひとつ、愛をくれたあなたへ
秘密も過去も受け入れるように、全部を抱えて

細い線で結ばれていたような
あれはきっと、運命に似ていた
綴る言葉も不器用なラブレター
いつか、きっと渡すから
愛の形は人それぞれ
見えないものが多すぎただけなの  
大事にしといて、一つひとつ
全部、歌にして ねぇ、聞いて

あなたが捨てた日々が
閉じたはずの未来だって、変えて
花びら一枚の気持ちでも、声にして返すから
私と違うあなた、あなたと違う私がいて
指差した明日の向きが違ってても、ついていくから

薄い膜で覆われていたような
どれもずっと、運命に見えた
水も遣らず、枯れた花のひとひら
何かひとつでも言えたら
正しさがずっと邪魔をしている
きらめきのような季節を探している
恋が約束になる前に全部、受け止めて

まだ、それを優しさだと言うなら
まだ、それを愛と呼べるなら
下書きのままの気持ちでも、声にして返すから

今、手と手が触れ合うことを 傷つけた痛みを
このまま、忘れていくことを許せなかった
痛みで編まれた思いの糸がほつれていく

触れた手の温もりが
優しい陽だまりみたいだ
花びらが落ちる、それまでに伝えたいから

きっと私と違うあなた、あなたと違う私がいて
瞳の奥で見つめている
すべてに意味がなくても

手と手が擦れて、傷がつくまで
夢の果てに触れるまで
紡ぐ言葉の一つひとつに
たとえ、意味がなくたって
鮮やかでいて嫋やかでいて、美しいままで
きっとね、思いは同じじゃなくていい
ずっと、同じ未来を見ていようよ

 

 

真実が失踪したのは何故か。謎解きの映画。

 


婚約指輪を置いて失踪。

 

    

 

 

 

見合い、婚活アプリ、など。若い人たちには関心の高いことがらなのだろう。今も昔も変わらず。
真実に対比されるふたりの女性。一人は菊池亜希子演じる真実の姉。もう一人は、架の友人。桜庭ななみが演じる。

 

映画『傲慢と善良』公式サイト

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前田美波里、久方ぶり。健在だ。

 

 


藤ヶ谷太輔奈緒がW主演の映画。これが私の目当て。
ハッピーエンドで終わったのも後味がいい。

最後、駅での感動シーン。
既視感があるが。

 

ロケ地は、佐賀県の「肥前七浦駅」。

 

 

  

 

 




架は「傲慢」でないし、真実も「善良」の仮面をかぶっているわけでもない。
私はそう感じた。
藤ヶ谷太輔奈緒も誠実さ一杯に見えた。それが持ち味、二人ともいい人。
架の友人・美奈子が「傲慢」そのもの。世の中、こんな人が多いと思う。決して悪人ではないが
今の恋愛事情、面白かった。ハッピーエンドであったのがとにかくよかった。

私の評価 85点。

 

 

にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村

 

映画ランキング