社会と個人 どう向きあうの

林住期 どのように暮らすのか。日々、自問自答する。

新自由主義からの転換は? 脱成長で <コモン>の再生!!

新しい資本主義、そんなもの可能なのか。期待を寄せてもいいものなのか。
岸田政権の「十八番」の方針。1年数か月たっても現実感がない。出てきたのは、軍需産業原発関連企業へのテコ入れでしかない。半信半疑。それ以上に失望。

絶望からは何も生まれないと思うので、もう一度勉強。
健康を維持し、希望の考え方。拠って立つところが大事だ。

 

資本論」からインパクトを得たいと思った。
これまでに、「資本論」つまいぐみ読みをしたことはあるのだが……
貧困、格差、絆の喪失、などの現実に対して解決のヒントをもらえるのではないか。
世界の富豪トップ26人の資産総額が地球上の人口の半分・39億人の資産に匹敵するって(国際開発援助NGOオックスファム」による)これって誰が考えたっておかしい。

新しい資本主義、コロナ禍で露呈した社会の矛盾を解決しうる方向性を持つものであろうか。

 

でも、原作品を読了する体力に自信がない。
そこで「100分de名著」の出番となった。

 

心に響いたこと、印象に残ったこと。メモで記す。

1)斎藤幸平さんの「はじめに 人新世の危機に蘇るマルクス」の項

 ・マルクスは64才で無国籍者としてイギリスで死んだ。亡命生活、
  在野の理論家、
  そして、革命家。盟友のエンゲルスは2つ下で75才まで生きた。
 ・「人新世」という言葉を知った
   デジタル大辞泉「人新世」の解説
    じんしん‐せい【人新世】
   2000年にドイツの大気化学者P=クルッツェンが地質時代
   区分の一として提唱した時代。
   「完新世」後の人類の大発展に伴い、人類が農業や産業革命を通じて
   地球規模の環境変化をもたらした時代と定義される。ひとしんせい。
   アントロポセン。

「人新世」という言葉は、オゾン層破壊の研究などでノーベル化学賞を受賞したパウル・クルッツェン氏(2021年1月死去)が、2000年に提唱した。

  • グローバルな資本主義の暴走に対して、マルクスの出番。
  • 第二次世界大戦後の急速な人口の増加
  • グローバリゼーション
  • 工業における大量生産
  • 農業の大規模化
  • 大規模ダムの建設
  • 都市の巨大化
  • 二酸化炭素やメタンガスの大気中濃度
  • 地球の表面温度や海洋の酸性化
  • 海の資源や熱帯林の減少

アソーシエーションによって形成・維持される社会、マルクスが構想したコミュニズムとは? 興味がそそられる。
アソシエーションとは労働者たちの相互扶助

 

2)「第1回 商品に振り回される私たち」の項から

 ・「本源的蓄積」 資本主義の成立に不可欠な暴力的な過程
  誰もがアクセスできるコモン(みんなの共有財産)だった富が資本よって
  収奪・独占された
 ・物象化 人間がモノに使われ、振り回される転倒した在り様
 ・必要な物より売れそうなモノをを生産する社会=資本を
  増やすこと自体が目的になる社会
 ・新自由主義  規制緩和、福祉削減、緊縮財政、自己責任など
 ・「民営化」は現代版コモンの囲い込み
 
3)「第2回 なぜ過労死はなくならないのか」の項から 

 ・資本は運動 G(貨幣)-W(商品)-G(貨幣) という自己増殖運動 
  人間の労働を介した価値の自己増殖運動
 ・宮廷用婦人服製造所の女工メアリーの
  過労死は現代でも繰り返されている
 ・「モーレツ社員」「24時間戦えますか」 今も続く  「魂の包摂」
 ・「デジタル・プロレタリアート」(マルク・ガブリエル)  

  資本による生活全体の包摂

 

4)『イノベーションが「クソどうでもいい仕事」を生む?!』の項から

 ・資本主義の発展につれてGDPは飛躍的に上昇した
 ・構想と実行の分離 精神的労働と肉体的労働の分断
 生産工程の細分化=分業が労働者を無力化する
 資本による生産に関するコモン(共有財産)の囲いこみ
 ・機械に使われる、生産力向上で仕事にあふれる
 ・資本主義は「ジャガノート」そのもの
 ・エッセンシャルワークと「ブルシット・ジョブ」(クソどうでもいい仕事)
 ・疎外労働からの脱却・克服はいかに

5)「<コモン>の再生-晩期マルクスエコロジーコミュニズム」の項

 ・資本の掠奪欲は、「土地」を疲弊させ、労働力を消耗させる
 ・資本の「外部化」は地球規模に
 ・生産力の発展が既存の生産関係と桎梏に転化する。
  社会革命の時代が始まる。
  どのような社会革命を求めていくのか
   共通の目的のために自発的に結びついた労働者が、
   人間と自然の物質的代謝を基礎に、持続可能な形で制御すること
       ……難解だ。

 ・晩年のマルクスの研究 エコロジーへの傾斜
   原古的な共同体への関心 持続可能性と平等 定常型社会
    マルク共同体、古代ローマイロコイ連邦、ミール共同体
 ・労働者がアソシエートし、富-生産手段、地球-をコモン」
  として取り戻す
  人々は各々の能力に応じて人々に与え、必要に応じて人々から受け取る
 ・「脱成長」という第三の道
  「市民電力」
  「ワーカーズコーポ」
  「シェアリング・エコノミー」
  「ミュニシパリズム」(スペイン・バルセロナ)
  「ドーナツ経済」