ヨーロッパの政治動向が気になる。ポーランドも……
ロシアのウクライナ侵攻に大きな影響を持つからだ。
野党連合「市民連立」が組閣か!!
ポーランド、18世紀末には3度にわたり、ロシア、プロイセン、オーストリアの隣接三国に分割され、第一次大戦終了までの123年間世界地図から姿を消す。 そして、第二次大戦ではソ連とドイツに分割占領された。
1980年代の民主化運動をリードしたポーランド自主管理労組。
政府の干渉を受けない独立した労働組合の連合体で、1980年の政府の物価値上げに反対してワレサらが結成した。翌年の戒厳令で弾圧されたが、1989年の東欧革命の一環としてポーランドの民主化を進めた。正確には、ポーランド自主管理労組「連帯」。ポーランド語で略称ソリダルノスチ。1980年9月1日、ポーランドの統一労働者党政権(共産党)の行った物価値上げに反対した労働者が結成した。
( 世界史の窓から 連帯 )
ポーランド共和国(Republic of Poland)
基礎データ
令和5年6月13日
一般事情
1 面積
32.2万平方キロメートル(日本の約5分の4、日本から九州、四国を引いた程度)2 人口
約3,801万人(2022年4月:ポーランド中央統計局)3 首都
ワルシャワ(約179.4万人)4 民族
ポーランド人(人口の約97%)5 言語
ポーランド語6 宗教
カトリック(人口の約88%)7 国祭日
5月3日(憲法記念日)、11月11日(独立記念日)8 略史
966年 ピアスト朝、キリスト教を受容
1386年 ヤギェウォ朝の成立
1573年 選挙王制
1795年 第3次分割によりポーランド国家消滅
1918年11月 独立回復
1945年7月 国民統一政府の樹立
1989年9月 非社会主義政権の成立
1999年3月 NATO加盟
2004年5月 EU加盟10世紀に建国。15~17世紀には東欧の大国。18世紀末には3度にわたり、ロシア、プロイセン、オーストリアの隣接三国に分割され、第一次大戦終了までの123年間世界地図から姿を消す。
第二次大戦ではソ連とドイツに分割占領された。大戦での犠牲者は、総人口の5分の1を数え、世界最高の比率。
大戦後は、ソ連圏に組み込まれたが、「連帯」運動(1980年代)など自由化運動が活発で、東欧諸国の民主化運動をリードした。1989年9月、旧ソ連圏で最初の非社会主義政権が発足した。
「欧州への回帰」を目標に、1999年3月にNATO加盟、2004年5月にはEU加盟を果たした。
政治体制・内政
1 政体
共和制2 元首
アンジェイ・ドゥダ(Andrzej DUDA)大統領(2020年8月再任、任期5年)
ポーランドで5日に行われた総選挙で、出口調査の結果、与党の右派ポピュリスト政党「法と正義」(PiS)が第1党となる見通しとなった。しかし過半数議席は獲得できない情勢で、政権3期目は難しいとみられている。
イプソスの出口調査によると、ヤロスワフ・カチンスキ党首率いるPiSの得票率は36.8%。一方、中道の野党連合「市民連立」が31.6%を獲得する見通し。
このとおりになれば、元欧州理事会議長のドナルト・トゥスク氏率いる市民連立が連立政権を形成する確率が高い。
またイプソスの調査では、18~29歳の有権者の投票率が、60歳以上の投票率を上回った。
PiSは、下院に当たる議会460議席のうち200議席を確保する見通しだが、過半数の231議席には届かない。連立を組む可能性のある極右「コンフェデラツィア」は予想の12議席よりも少ない議席数となる見込みで、大きな助けにはならないとみられている。
ロシアの全面侵攻から20カ月近くがたとうとしている現在、総選挙の結果にかかわらず、ポーランドのウクライナに対する強い支持は変わりそうにない。しかしPiSの幹部らはここ数週間、ウクライナ懐疑派のコンフェデラツィアに引きつけられた有権者を取り込もうと、明らかに揺らいでいた。
カチンスキ氏は13日の演説で、トゥスク氏の野党・市民連立が勝利すればポーランドは 「ドイツやロシアからの電話で統治される」という持論を展開。トゥスク氏には愛国心がなく、安全保障上の脅威になると述べていた。
また、ロシアおよびウクライナとの国境への大規模な軍事支出に言及していた。
その上で、「ポーランド国民により良い生活を与える」と約束し、賃金や年金の引き上げを示唆した。
トゥスク氏はEUとの関係を改善し、法と正義が行った司法改革によって凍結されている、EUの新型コロナウイルスのパンデミック復興基金からの360億ユーロを解除しようとしている。この司法改革は、政府が最高裁判所に与党寄りの裁判官を任命できるようになり、中立性が損なわれたと批判されている。
市民連立はまた、2021年にほぼ全面禁止となった人工妊娠中絶について、自由化を約束している。
社会的に保守的な与党寄りのアンジェイ・ドゥダ大統領は通常、総選挙の第1党に政権樹立を要請する。関係者も、それが伝統的な次の段階だとしている。
しかし、もし法と正義が議会の信任投票に勝てなかった場合、議会は新首相を任命し、その新首相が組閣し、再び信任投票が行われる。
BBCのカティヤ・アドラー欧州編集長は、ポーランドはハンガリーと共にEUの「悪い子」と見られていると説明。ポーランドについては、国内で女性の権利や司法の独立性、報道の自由を侵害していることから、EU補助金を保留されているほか、移民や気候変動の面でEUの政策に逆行していると述べた。
そのため、まだ出口調査の結果ではあるものの、EU圏の大部分で見られるEUに懐疑的な強硬右派の明らかな復活とは逆行する結果になりつつあることを、EU関係者は歓迎しているのだとアドラー編集長は指摘した。
(英語記事 Polish right-wing party to lose majority - exit poll/Poles prepare to vote as rivals end bitter campaign/EU looks to welcome back Poland after years of antagonism)
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