社会と個人 どう向きあうの

林住期 どのように暮らすのか。日々、自問自答する。

(491) 「ルポ過労シニア」( 若月澪子著 朝日選書 ) を読んで

 

 

 

 





21人のシニア労働者からの聞き取りルポ。
人生100年、1億総活躍時代というが、「死ぬまで働け」という意味だ。働かないと食えない。しかも、誇りを持つことができる仕事でもない。
ある総裁候補が、総裁選挙の中で、「80歳まで働ける社会を」とスーツを着て得々と主張していた。
思い出すたびに腹が立つ。

シニアの厳しい現実がこれでもか、これでもか、と記される。
セーフティーネットの底が抜けている。
70歳以上で半数の人が働いている。貯蓄がほとんどない人も多数。高齢女性の単身世帯は更に厳しい。非正規職員が増えている、自治体でも。介護離職する人も相変わらず多い。

本の中で触れられた事実から

・働いている人の割合
 60歳から64歳 8割
 65歳から69歳 6割
 70歳以上 半数以上

・60歳になった時点で貯蓄額100万未満 30%
 「2025年還暦人に係る調査 プルデンシャルジブラルタ ファイナンシャル調査」

・無年金者(受給資格期間が足りない人)の推計数:最大で約118万人
 65歳以上で、今後保険料を納めても年金を受給できない人の推計:最大約42万人
  「社会保障審議会 年金部会」

・65歳以上の者がいる世帯の平均所得
 女性の単身世帯 所得 平均175万程度
   半数以上は、年金100万以下
 男性の単身世帯 所得 平均270万
 夫婦世帯 所得430万円
  「国民基礎調査(2024年)」

・全国シルバー人材センター
 平均的報酬額 月36,000円
 平均年齢 74歳

・介護離職をする人は年間10万人以上

自治体の非正規職員 
 2005年45万人から 2023年74万人
  「総務省調査」

・高齢者期の進行
「胴上げ型」「騎馬戦型」「肩車型」社会へ
 1965年 9人が1人を支える
 2012年 2.4人が1人を支える
 204年 1.4人が1人を支える

・65才以上 年金だけで生活している人 
 2005年 59.9% 
 2023年 41.3% 
  「国民生活基礎調査

 

どこかで聞いたことのある単語、あるいは、全く初めての言葉。ここから希望を想像できない。
今の現実を写す印象的なフレーズ

◎終わらない子育て
 パラサイトシングル
 子供部屋おじさん

◎尊厳のない単純労働

◎解雇臭を消す言葉 
 セカンドステージ・キャリア セカンドキャリア・プラン タレント・マッチング

◎ミッシング(失われた)・ワーカー

◎今は過去 卸業者の「流し」の特権

◎「ポコチャ」「イチナナ」 ライバーの生配信のアプリ

◎やりがい搾取、官製ワーキングプア

 

サブタイトル -「高齢労働者」はなぜ激増したのか- に十分に迫れていないように思えた。残念だ。
でもシニア労働者の現実を訴えていて、我がこととして考えさせられた。
良書だ。

 

 

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