社会と個人 どう向きあうの

林住期 どのように暮らすのか。日々、自問自答する。

(229) 補正予算が成立し、政府の2024年予算案が決まった。 ちっともワクワクしない!!

 

 

 

 

 

2023年補正予算の規模は13兆円。9兆円弱を国債に依存。

2023年度補正予算が成立 総額13.1兆円、半導体投資を促進 - 日本経済新聞

 

 

(略)

24年6月にも始める所得税と住民税の定額減税に関する経費は今回の補正予算案に含まれていない。

維新は25年国際博覧会(大阪・関西万博)の関連予算が盛り込まれたことを評価し、賛成に回った。国民民主はガソリン税の一部を減税する「トリガー条項」の凍結解除の実現を訴えて賛成した。

(略)

 

 

 

令和5年度補正予算 : 財務省

 2023年補正後の予算の規模は、127兆円に。44兆円は国債に依存。

6人にひとりが貧困という現実を変える希望に満ちた予算であろうか。
消費税減税もなく、社会配分の見直しもない。新自由主義施策から訣別もない。
パーティ券で裏金つくりに励む自民党は、所詮 パーティー券を購入してくれる富裕層にとって耳痛い政策の実行ができるはずがない。

 

 

日本財政への信頼は維持できるのか

 財務省の資料から加工作成

 

 

政府は2024年予算案を閣議決定した。

 

予算の全体像は(歳入と歳出) 令和6年度(2024年度)予算|NHK

 

政府は一般会計の総額が112兆717億円となる令和6年度(2024年度)の予算案を決定しました。

 

財政の硬直化進む
過去最大だった2023年度の当初予算は下回ったものの、2年連続で110兆円を超え、財源の3割以上を国債に頼る厳しい財政状況が続いています。

※数値は四捨五入しているため端数の合計が合致しない場合も
臨時閣議で決定された政府の2024年度予算案は、一般会計の総額が112兆717億円となります。

過去最大だった2023年度の当初予算を2兆3095億円下回るものの、2年連続で110兆円を超えて過去2番目の規模となりました。

2024年度予算案の主な歳出の項目です。

▽全体の3分の1を占める「社会保障費」は、37兆7193億円と2023年度の当初予算よりも8506億円増えて過去最大となりました。

診療報酬の薬価の引き下げなどによる効率化で伸びを1400億円程度の抑えたものの、▽齢化による給付の増加に加えて、少子化対策の強化や医療従事者の賃上げなどで大幅な増加となりました。

▽防衛費は5年以内に抜本的強化を目指す中、1兆1292億円増えて7兆9172億円となりました。

また、2023年度は、将来の防衛力の強化のための資金への繰り入れが3兆3000億円あまりありましたが、2024年度は繰り入れを計上しませんでした。

地方自治体に配分する地方交付税交付金などは、17兆7863億円。

この中には、定額減税による住民税の減収を補填する分が含まれていて、2023年度よりも1兆3871億円多くなっています。

▽「予備費」は通常の予備費の5000億円に加えて、2024年度も物価高騰対策などとして1兆円を計上します。

2023年度はコロナ対策などとして5兆円の予備費を計上していましたが、骨太の方針で「歳出構造を平時に戻す」という方針が示される中、4兆円の減額となりました。

このほか、▽「公共事業費」は6兆828億円、▽「文化、教育、科学技術関連予算」は5兆4716億円でいずれも2023度の当初予算とほぼ同じ水準です。

▽これまでに発行した国債の償還や利払いにあてる「国債費」は1兆7587億円増えて27兆90億円と過去最大となりました。

国債の発行残高の増加に加え、長期金利の上昇を反映し利払い費の想定金利を2023度の1.1%から1.9%に引き上げたことが要因です。

歳出全体のほぼ4分の1が国の借金の返済にあてられることになります。

2024年度予算の一般会計では、「社会保障費」と「地方交付税交付金」、それに「国債費」の3つの経費が歳出全体の73.6%を占めました。

高齢化や国債の発行残高の増加に伴って、ほかの政策に使える予算の余地がどんどん小さくなり、財政の硬直化が進む状況となっています。

 

財源の3割以上が国債



国債※数値は四捨五入しているため端数の合計が合致しない場合も
一方、歳入のうち、税収は69兆6080億円と補正予算段階の今年度の見通しとほぼ同額を見込んでいます。

▽企業業績の回復傾向を反映し、法人税の税収は、今年度を2兆3840億円上回る17兆460億円と見込んでいます。

▽堅調な消費や物価の上昇を踏まえて消費税も8310億円多い23兆8230億円と見込んでいます。

▽一方、所得税は定額減税で2兆3000億円の減収が想定されるため、3兆3900億円減って17兆9050億円としています。

▽税外収入は7兆5147億円。

▽それでも不足する34兆9490億円は新たに国債を発行して賄う計画です。

今年度の当初予算よりは6740億円減るものの、歳入全体に占める割合は31.2%と、財源の多くを国債に頼る厳しい財政状況が続いています。

 

国債発行額と財政の課題
政府は、政策に必要な費用を借金に頼らず、税収などでどれだけ賄えているかを示す「基礎的財政収支」を財政健全化の指標の1つとしています。

2024年度予算案では、この基礎的財政収支が一般会計で8兆3163億円の赤字となっています。政府は地方も合わせた基礎的財政収支を再来年度・2025年度に黒字化する目標を掲げていますが達成は難しい状況が続いています。

 

普通国債の発行残高



国債の発行残高も増え続けています。2024年度予算案でも34兆9490億円の新たな国債の発行を計画しています。

2023年度の当初予算は下回りますが、最近は、巨額の補正予算の編成によって年度途中に追加で国債を発行する例も相次ぎました。

新型コロナの感染が拡大した2020年度から3年間、政府は景気の落ち込みなどに対応するため、20兆円から30兆円規模の補正予算の編成を重ね、多くを国債の発行で賄いました。

こうしたこともあって、普通国債の発行残高は2024年度末には1105兆円余りにまで膨らむ見込みです。

国債の償還や利払いにあてる費用も増えるなか、今後は長期金利の動向も焦点になります。日銀が金利操作の運用を見直し、長期金利が上昇したことを反映して、2024年度予算案では、歳出の国債費のうち利払いにあてる金額として、2023年度の当初予算を1兆2187億円上回る9兆6910億円を計上しました。

国債の発行残高が積み上がる中、今後、金利が大きく上昇すれば利払い費がさらに増える可能性もあります。財政健全化に向けて、徹底した歳出改革や経済成長による歳入の増加が必要になります。 

 

 

株式会社野村総合研究所 木内 登英
                                              金融ITイノベーション事業本部
                                             エグゼクティブ・エコノミスト
次のコラムがわかりやすく参考になる。

www.nri.com

 

歳出改革が進まない2024年度予算案:
   金利上昇が高める財政リスク(ドーマーの条件)


                    2023/12/20


実質的には予算規模の拡大に歯止めがかからない


政府は12月22日に2024年度予算案を閣議決定する予定だ。一般会計総額は110兆円超と、2023年度当初予算の114兆円から12年ぶりに減少する見込みである。

しかしこれは、今まで巨額の計上がなされてきた新型コロナウイルス対策の予備費を、感染リスクの低下を受けて今年度の5兆円から1兆円程度に抑えることと、防衛力強化資金への繰り入れがないことが主な要因だ。これらは、財政環境の改善を目指した政府の歳出改革の結果とは言えない。

この2つの要因を除いた予算額は、2023年度は106兆円程度であったが、2024年度予算案はこれを上回る見込みであり、実質的には予算規模の拡大に歯止めが掛からない状態が続いている。

防衛費増額、GX投資、少子化対策の「歳出3兄弟」は既に予算に計上されており、歳出増加圧力は以前にも増して高まっている。他方で、歳出抑制は進んでいない。政府は新型コロナウイルス対策などで大きく膨らんでしまった予算規模を、平時に対応した規模に正常化させる方針を示しているが、それは十分に実現できていない。

さらに、防衛費増額、少子化対策については、財源確保の手段が確定しない中で、歳出は進められることから、財政赤字が一段と拡大するリスクが高まっている。

 

日銀の政策正常化で高まる金利上昇リスク

2024年度予算でさらに注目されるのは、金利上昇のリスクだ。財務省は2024年度当初予算案で、国債利払い費の前提となる積算金利を1.9%とする方向で検討していると報じられている。これは、日本銀行イールドカーブ・コントロール(YCC)の運営柔軟化を受けて、今年10月にかけて長期金利が上昇したことを受けたものだ。

その後長期金利は低下しているものの、YCCの運営柔軟化によって長期金利が市場実勢を反映するようになったことから、金利変動リスクは従来よりも高まっている。さらに、2024年にも日本銀行はマイナス金利政策を解除し、短期金利を引き上げる可能性がある。

積算金利の引き上げを要因に、国債の返済と利払いを合わせた2024年度の国債費は、2023年度当初の25兆2,503億円を上回り、過去最大を更新することが見込まれる。

 

ドーマーの条件に従い財政リスクは高まる


政府は2025年度に税収から国債費などを除く歳出総額を引いたプライマリーバランス(基礎的収支)を黒字化させることを目指している。他方、プライマリーバランスの赤字が続く中では、通常であれば政府債務の名目GDP比率は上昇を続け、政府債務が発散的に増加してしまうという、財政リスクが高い状態が生じるはずだ。しかし実際には、同比率には頭打ち傾向が見られており、このことが、財政リスクについての危機感を弱めてきた面がある。

名目GDP成長率と国債金利が一致する場合、プライマリーバランスの赤字は政府債務の名目GDP比率の上昇をもたらすが(ドーマーの条件)、日本銀行の異例の金融政策によって、金利上昇が抑えられてきた結果、プライマリーバランスの赤字が続くもとでも、政府債務の名目GDP比率は上昇してこなかったのである。

しかし日本銀行がこの先金融正常化を進める中では、金利の上昇が政府債務の名目GDP比率の上昇につながり、財政リスクがにわかに高まる可能性がある。このような環境変化を踏まえて、政府は歳出抑制を通じた財政環境の改善に、今まで以上に真剣に取り組まなければならない。

 

(参考資料)
「歳出削減努力乏しく 来年度予算案 総額減、予備費を圧縮」、2023年12月20日日本経済新聞社
「来年度予算の積算金利1.9%に、市場実勢反映で17年ぶり上げ-関係者」、2023年12月20日ブルームバーグ

                                      

   ※ ドーマーの条件は、財政の持続可能性を評価するための経済指標であり、
   以下の要素が関与します。
    利子率と経済成長率の比較: ドーマーの条件は、国の財政が安定して
    いるかどうかを評価するために、国債の利子率と経済成長率を比較します。
    利子率が経済成長率を上回る場合、財政は不安定化する可能性があります。

    プライマリー・バランスの均衡: プライマリー・バランスが均衡している
    場合、政府債務残高のGDP比が安定するとされます。
    これが「ドーマーの条件」であり、財政再建と経済成長の調和を
    指向します。

 

 

 

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