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林住期 どのように暮らすのか。日々、自問自答する。

(71) 軍事費増強は世界の流れ。世界の流れに掉さすのが「平和憲法」の日本だと思うが

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2022年に世界の軍事費は、2%増えて260兆円とのこと。世界の現実をしっかり見る。そのうえで、軍備拡張競争が抜き差しならぬ戦争の道につながるのではと思う。軍事費の多少を争うのではなく、日本が「オンリーワン」の国に進むという難しい選択をする覚悟を持つべきだ。軍事同盟からの離脱、平和外交の推進。平和憲法を持つ日本が果たすべき役割は大きい。
軍事大国になって、何がメリットか。侵略戦争の反省はどこに。敗戦の痛みは忘れられたのか。沖縄での地上戦、本土空襲、被爆など、体験を風化させてはならない。


以下は、2月15日の日本経済新聞の記事。

www.nikkei.com

世界の軍事費、侵攻で膨張 22年は2.6%増の260兆円

2023年2月15日 20:03 (2023年2月16日 5:08更新)


ドイツ製主力戦車レオパルト2(2011年9月、ドイツ・ミュンスター)=AP


英国のシンクタンク国際戦略研究所(IISS)は15日、軍事情勢の報告書「ミリタリー・バランス」の最新版を公表した。2022年の世界の軍事費は1兆9786億ドル(約260兆円)となり、前年比2.6%増加した。ロシアのウクライナ侵攻や中国の覇権主義的な動きによって、世界の軍事費は再び膨張し始めている。

世界最大の軍事大国である米国は前年に比べ0.9%増の7666億ドルで、世界の軍事費の39%を占めた。2位は中国(2424億ドル)、3位はロシア(879億ドル)で中ロの軍事費は米国の4割強の水準だった。

 

ロシアの軍事費は軍事装備の研究開発費なども合算すると、前年より4割ほど増え、世界での順位も5位から3位に上がった。ロシアが人と金を侵攻につぎ込んでいる状況が浮かぶ。一方、ウクライナでの損失で、主力戦車の台数は前年比で4割減った。


ウクライナに近い欧州各国では陸上兵器の増備が目立つ。ドイツは冷戦後に削減を続けてきた戦車を再び増やし始めた。22年は自国製「レオパルト」を321両保有し、1年間で1割超増えた。

東欧各国は榴弾(りゅうだん)砲など大砲の取得を進める。バルト3国のリトアニア保有数を3割増やした。

欧州各国はウクライナへの兵器供与に取り組みながら自国の防衛力強化も必要になり、兵器が不足状態にある。ポーランドなどは戦車や自走砲といった陸上兵器を韓国から輸入し始めた。

 

今回の報告書では、中国が前年よりも285億ドル増加し、絶対額では過去最大の伸びとなったことも注目点だ。

IISSは中国の軍備の近代化や安全保障政策への懸念が「近隣諸国のさらなる投資を促進している」とみている。27年度に防衛費の国内総生産GDP)比を2%に増額する日本は22年時点では8位(481億ドル)だった。

中国は米国の能力に追いつこうとする姿勢が鮮明だ。米本土を射程に入れる大陸間弾道ミサイルICBM)は140基となり、21年比で2割増えた。レーダーに映りにくい性能を持つ最新鋭ステルス戦闘機「J20」の保有数は140機超と前年の約50機から2.8倍になった。

ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)は21年の世界の軍事費が過去最高額だったと発表している。22年はこれを上回り、過去最高を更新したとみられる。

 

主要7カ国(G7)の軍事費は冷戦終結以降、縮小と拡大を繰り返している。湾岸戦争後の1993〜98年に6年連続で減額となった。テロとの戦いが叫ばれた2000年代は増加傾向に戻り、リーマン・ショック後の財政再建などで12〜15年は4年連続で減少した。

足元の増加傾向は16年から始まっている。きっかけは米国と中国の競争激化だ。中国は10年にGDPで日本を抜いて世界2位となり、00年からの20年間で軍事費を10倍以上に積み増した。北朝鮮の核・ミサイルの脅威も高まり、米国や日本が予算増に動いた。

欧州でもロシアの脅威が現実となり、軍事費を再び増やす流れが強まっている。23年はドイツや日本が防衛費を2割前後増額する予算を編成している。ロシアのウクライナ侵攻を機に、軍縮推進の勢いは弱まり、世界の軍事費の増加に拍車がかかる可能性が高まっている。

世界的なインフレ傾向も今後の軍事費増加の要因になりそうだ。IISSによると、22年の物価変動の影響を除いた実質ベースの軍事費は前年比2.1%減だった。兵器の価格や兵士の給与が上昇しており、各国政府は名目ベースで大幅に予算を増やさなければ、抑止力の向上につなげられない状況になっている。

(安全保障エディター 甲原潤之介、ロンドン=中島裕介)

 

日本経済新聞の1年前の8月2日の記事から図を拝借する。

防衛費、世界2位から9位に転落 「失われた20年」映す - 日本経済新聞

 

 

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