社会と個人 どう向きあうの

林住期 どのように暮らすのか。日々、自問自答する。

(72) 「COVID-19 TK-File ㊻ 次世代ワクチンとワクチン接種スケジュール」 黒木登志夫

★ ☆ ★ ☆ 「 ヘッダー」の花  菜の花



新型コロナ、次世代予防ワクチンは まだまだ決定打がない。
エンデミックはまだ先になるのかも??

 

COVID-19 TK-File  ㊺ 
  黒木登志夫 2022 年 12 月 23 日
    - 社会と個人 どう向きあうの

続編

www.covid19-yamanaka.com

https://shard.toriaez.jp/q1541/273.pdf

COVID-19 TK-File ㊻
次世代ワクチンとワクチン接種スケジュール
2023 年 2 月 10 日 黒木登志夫


COVID が日本に入ってきて 3 年、mRNA ワクチンが実地に使われてから 2 年経ちました。
もし、ワクチンがなければ、何百万人の命が失われたことでしょう。しかし、感染に対する免疫がウイルスの進化に追いつかず、ブースターを繰り返し注射する必要に迫られました。
私も含めて、5 回注射した人も少なくないと思います。ほぼ 5 ヶ月に 1 回の頻度です。
COVID TK-File(46)では、第 8 波の分析に加えて、ワクチン接種プログラムと次世代ワクチンについて報告します。年に 1 度、毎年 9 月に注射するという案を FDA が諮問委員会に提案し、大筋合意されたということです。また次世代型のワクチン戦略を分かりやすい図で説明します。

目次と概要

A. 第 8 波は BA.5 の 3 系統が主流
第 8 波は減少に転じました。第 8 波の変異ウイルスは、BA.5 系統の BA.5.2, BA.5.2.1, BF.5の 3 株が主流のまま減ってきたようです。アメリカで増えている BQ.1 系統、変異株間の組み換えウイルス(XBB)は増殖速度が速いので、警戒していたのですが、まだ少数に過ぎないようです。

B. 次に心配されるコロナウイルス変種は中国から来る可能性がある - 検出されるか?
ゼロコロナ政策とその後の解禁により、中国では急激に感染が広がりました。しかし、オミクロンに対する免疫のないところで広がっているので、変異ウイルスに対する選択圧力がないため、変異ウイルスが出現する可能性は低いと予測されています。しかし、このあと、感染した人たちが 2 回目の感染をしたときには、淘汰圧がかかるので、変異ウイルスが出現する可能性があります。

C. 今後のワクチンはインフルエンザ並に年 1 回に? FDA が提案
現在ワクチン接種は、方針もないまま、ブースターを繰り返しています。これをインフルエンザと同じように、年に 1 回 9 月に行うという新しい方針を FDA が諮問委員会に提案し、大筋合意とのことです。はっきりとしたセクジュールの基に行えば、接種率は上がることでしょう。

D. 次世代型ワクチン開発戦略
RNA ワクチンは非常に有効なのですが、ウイルスの進化に追いつかず、また、ブースターを繰り返す必要があります。そこでこれらの欠点に対応した新たなワクチン開発が進んでいます。次世代ワクチンの原理をわかりやすい図で説明します。

E. 細胞のレセプタータンパクに似せた「おとり」は COVID 感染を防ぐであろう。
レセプターの ACEII をおとりとして使えば、コロナウイルスはそれにくっついて感染を防ぎ、症状を軽減するであろうという次世代戦略。

F.コロナ秀歌、秀句、川柳


情報提供協力者

井ノ上逸朗教授(国立遺伝研):静岡県のウイルスゲノム情報
細井純一(島根県日原(にちはら)天文台 にちはら天文台メインページ (sun-net.jp)) :Nature 誌論文検索
(細井君は天文学の知識と天文写真が評価され、免疫学から天文台の職員に転身しました)
COVID TK-File は、『山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信(「山中伸弥コロナ」で検索)』に転載されております。その他、「21 世紀構想研究会」、「医学開成会」のホームページでも読めます。
COVID-19 TK-File の転送は自由です。

 

 



A. 第 8 波は BA.5 の 3 系統が主流
第 8 波は、2022 年の終わりから急速に増加し、その割りには、市民の間には警戒心が薄れてきたので、どうなるかと心配していたが、図 1(上図)に見るように感染は収まってきた。
もともと、感染者数の把握はかなり不正確になってきているので、本当の感染者数は図よりも大分多いはずである。そうだとしても、減少傾向にあることは変わりないだろう。
死亡者(図 1 中)が第 7 波を超えて多かったのだが、死亡者数は感染者数よりも正確に把握できるので、こちらの方が正しいと考えてよい。しかし、致死率(図 1 下)は低いままで推移した。


図 1

2000 年 5 月から 2023 年 2 月までの感染者数(上)、死亡者数(中)、致死率(下)の推移。
第 8 波は、死亡者数が第 7 波よりも多かった。死亡者数の方が正しく、感染者数は正確に把握できていなかったと考えるべきである。致死率は第 7 波よりも少し高かったが、オミクロンより前(第 5 波まで)と比べると遙かに少ない。ワクチンの効果+オミクロン株の特性の結果であろう。



変異ウイルスのスープ
気になるのは、第 8 波を構成する変異ウイルスである。COVID TK-File(44)で第 8 波はいくつもの変異ウイルスが混在している「スープの具」のような状態であると説明した。その中から、感染力の強いウイルスが抜け出してくる可能性もあるので、ウイルスゲノムデータの分析を行った。
毎週行われている政府のアドバイザリーボード資料の中から変異ウイルスの分離データを調べた。最初は、どれか一つの変異株が飛び抜けて増えていれば、その増え方から、実効再生産数、倍加時間を計算できると考えたのだが、図 2 に示すように、これまでと同じように、BF.5, BA.5.2,BA.5.2.1 の BA.5 系統が大部分を占めており、「スープの具」状態は数週間にわたって変わっていなかったことが分かった。


図 2

2022 年 10 月31 日から 2023年 1月6日までの国立感染研によるゲノム解析データ。この期間は、日本では、 BF.5,BA.5.2,BA.5.2.1の3株が半分を占めていた。アメリカで流行している BF.7 と BQ.1.1 も入ってきたが、主流にはなっていない。アメリカの主流となった XBB は、図ではあまり少ないので隠れている。10/7と 12/12 の週のデータはアドバイザリーボードに報告されていなかったので、大きな谷となっている。



アメリカでは XBB1.5 と BQ.1.1 が中心
図 3 は、CDC が発表した 2023 年 2 月 4 日までのゲノム解析データである。主流XBB.1.5(66.4%)次いで BQ.1.1(19.9%), BQ.1(7.3%),XBB(2.3%)である。XBB が 1/3、BQ.1 が 1/5を占めていることになる。幸い、日本にはこの二つは、まだ多くはない(図 2)。

図 3 アメリカのゲノム解析データ(CDC)(1)。XBB と BQ.1 系統が 80%以上を占めている。
(1)CDC COVID Data Tracker: Summary of Variant Surveillance

XBB.1.5 は、BQ.1.1 よりも 40%増殖が早い
図 4 は、イギリスの Health Security Agency が定期的に出している、変異ウイルスの分析報告書の図である(2)。恐ろしいことに XBB.1.5 は BQ.1.1 よりも感染力が 40%も強くなっている。アメリカで短期間のうちに BQ.1.1を押しのけて主流になったのはこのためだった。
(2)SARS-CoV-2 variants of concern and variants under investigation: technical briefing 49(publishing.service.gov.uk)


図 4 XBB.1.5 は、BQ.1.1 よりも 40%感染力が強くなっている。

XBB の X は Cross の意味。すなわち、2 種類の B 系統が組み替えによってできた変異株である。複数のウイルスに「混合感染」しているときに起こりうる。幸いなことに、1 月第 1週現在までの国立感染研の分析では、2022 年 11 月 12 月期では、XBB は 26 例しか報告がない。


国立遺伝研の井ノ上逸朗教授に問い合わせたところ、静岡県では 1/31 までの分析結果では、XBB は見つかっていないということであった(私信)。

第 9 波が起こるかどうかは、次に現れる変異ウイルスにかかっている。ゲノム分析を注意してフォローする必要がある。
(またまた情報発信について苦言することになるが、この程度のことは、もっと早く専門家が発表してほしい。XBB が日本で増えたら大変だ程度のコメントではなく、データを基に文章にまとめて、発表すべきである。世界の国では、どこもそういう体制ができている)。

B. 次に心配されるコロナウイルス変種は
   中国から来る可能性がある - 検出されるか?
The next worrisome coronavirus variant could come from China — will it getdetected? (3)

・中国のゼロコロナ政策、そして突然の解放。これはまるで集団実験のようである。中国の 14 億人の人民は集団免疫を獲得できたのだろうか。集団免疫の中で、それを乗り越えようとする変異ウイルスが出現するかもしれない。しかし、その監視体制は世界中で緩められている。習近平共産党の名誉をかけて COVID を抑え込もうとして失敗したことにより、世界中は新たな中国問題にさらされている。

・中国が 12 月にゼロコロナ政策を突然撤回したとき、中国の人々は、世界の他の国と違って、オミクロンに対する免疫を持っていなかった。このような状況では危険な新型の変異ウイルスは出現しにくいという。つまり誰も免疫を持っていないので、免疫を回避させるような淘汰圧力は発揮できないからであると、メルボルン大学の McVernon 博士は考えている。問題は、この後に、感染し免疫をもっている人たちが再感染したとき、免疫を逃れるようなウイルスが出現するかもしれない。

・中国はウイルスのゲノム検査を中止しているわけではない。31 省にある 3 つの病院で毎週 15 人のゲノム検査、10 人の重症患者、死亡者全員のシーケンスの計画を発表しているが、この規模で新たな変異ウイルスを検出できるかどうかについては疑問がある。
Sydney 大学の報告によると、症例の 0.5%の塩基配列を決定し、サンプル採取から 21日内にデータを(GISAID で)共有できれば、新系統が 100 人に感染する前に検出できる確率は 34%になるという。(0.5%でも数百万人になる)。

・中国の COVID 研究者は、過度の注目を浴びることで政治に巻きこまれたくないため、匿名での発表を希望しているという。

C. 今後のワクチンはインフルエンザ並に年 1 回に?
    FDA が提案

What’s next for COVID-19 vaccines? Scientists and regulators chart a course amiduncertainty(4,5)

ワクチンの注射は、基本方針もないまま、ブースターを繰り返している。私も 5 回ワクチンを打っている。しかし、市民の反応を考えた場合、方針なしに繰り返すのは、ワクチンへの信用性を低下させかねないのも確かである。現に週刊文春週刊新潮などの週刊誌は(広告で見る限り)ワクチン反対のキャンペーンを始めている。困ったものだ。

年に 1 回、9 月にワクチン接種
1/27、FDA の諮問委員会は今後、アメリカの全員を対象に、来年秋にブースター投与を接
種するという FDAの提案を全会一致で大筋合意したという記事がサイエンス誌に発表された(4)。しかし、タイトルからも分かるように、「ワクチンの不確実性(amid uncertainty)」が依然として残っている最中にそのような決定ができるのかという疑問も残る。以下、ワクチン接種プロトコールをめぐる議論を紹介する。

武漢株ワクチン+オミクロンワクチン
現在のブースターワクチンは、CoV-2 の祖先にあたる武漢株とオミクロン BA.4,BA.5 の『二価ワクチン(Bivalent)』である。武漢株はすでに消失しているが、対オミクロン株だけでは、今後の変異株に対応できない可能性がある。二価ワクチンがオリジナルの対武漢株ワクチンと比べてどこまで効くかはまだ議論が一致していないが、最近の NEJM と CDC のWeekly report の論文は肯定的である。

ハイブリッド免疫
COVID 感染とワクチンによる二重の免疫を持っている『ハイブリッド免疫』は、効果が高いことが証明されている。
・ ハイブリッド免疫: 感染を 42%、入院、重症化を 97%防御する。
・ 感染のみ: 感染を 25%、入院、重症化を 75%防御する。
   (註:ワクチン単独の効果については記載がない)

政策決定が先でよいのか
インフルエンザと同じように年 1 回のワクチン接種にする。6 月初旬に流行するであろうウイルス変異株を推定し、9 月にワクチン接種を行う、というのが FDA の提案。しかし、慎重意見もある。
・ 年 1 回接種ですべての人が 1 年間十分な免疫が得られるかどうか。
・ インフルエンザは季節性感染なので、COVID とは違う。
・ ワクチンの接種率はブースターのたびに低下している。
・ ブースターの効果について疑問を持つ人が少なくない。
・ 研究よりも先に政策を決めると、後で修正するときに混乱が起こる。

mRNA 以外のワクチンも使えるか
RNA ワクチンが広く使われているが、B 型肝炎、帯状疱疹、HPV などに使われているウイルスタンパクとアジュバンドの古典的なワクチンは持続性があるはず。しかし、COVIDに対しては、Novavac のワクチンがあるのみ。しかも、広く疲れず、ブースターとしても許可されていない。

経鼻ワクチンの可能性
粘膜免疫を誘導する経鼻ワクチンは、気道で始まる感染を防御できるであろう。それに、感染者の鼻の中には、IgA タイプの抗体が発見されている(血清中は IgG)。
不確実性はあるにしても、1 年に 1 回というワクチン接種の分かりやすいスケジュールは受け入れられやすく、ワクチンの接種率を向上させるであろう。高い接種率はワクチンそのものの効果よりも大きい利益をもたらすにちがいない。FDA の提案は諮問委員会の合意が得られているので、来年から実施されるのではなかろうか。本当は、広い範囲の将来の変異ウイルスにも効くような、持続期間の長いワクチンが開発されれば、COVID 問題も解決するであろう。現在進行中の次世代ワクチンについては次項で解説する。
(4)What’s next for COVID-19 vaccines? Scientists and regulators chart a course amiduncertainty | Science | AAAS
(5)Should COVID vaccines be given yearly? Proposal divides US scientists (nature.com)

D. 図解、次世代コロナウイルスワクチン開発戦略
The next generation of coronavirus vaccines: a graphical guide(6)
Ewen Callaway

現在使用されているワクチンは、ウイルスの進化の後を追いかけている。ウイルスの変化にも対応できるような強く(resilient)、効果も長持ちするようなワクチンはできないものだろうか。その可能性を探る戦略を分かりやすい図でまとめた論文が Nature に掲載された。長い論文なので、要点を図の解説の形で紹介する。

1.基本的な免疫システム

図 1

ワクチン(青色の点)により作られたウイルススパイクのタンパクは、抗原提示細胞に入り(A)、ヘルパーT 細胞をへて(B),B 細胞が抗体を作る。さらにキラーT 細胞が感染した細胞を攻撃する。その情報は、メモリーB 細胞、メモリーT 細胞に記憶され、月あるいは年にわたり、身体をパトロールする(D)。



2.コロナウイルスの変異株は免疫を逃れる。

図 2

ウイルスがレセプターに結合部位に変異を起こすと(たとえばオ
ミクロン株)、既存のワクチンは対応ができなくなる(B).



3.二価ワクチン

図 3

現在使用されている二価ワクチン(Bivalentvaccine)は、最初の武漢ウイルス(青色、A)と進化したオミクロンウイルス(赤色、B)の両者に対応できるようになっている。
モリー細胞には武漢ウイルス対応(C)、オミクロン対応(D)、両者対応(E)などがある。



4.有効範囲が広範な「モザイクワクチン」
2002-2003 年に流行した SARS ウイルス(SARSCoV-1)と現在流行している COVID ウイルス(SARS-Cov-2)のスパイクタンパクを用いる「モザイクワクチン」。シンガポールSARS 生存者の血清は、18 年後にも活性をもり、広い範囲の変異ウイルスを不活化させてという報告があるので、このような「モザイクワクチン」は非常に有望である(7、8)。


図 4

Nanoparticle 上に新型コロナウイルスのレセプター結合部位( RBD)(赤 色)とSARS ウイルスのRBD( 紫 色 )を つ ける。SARS ウイルス RBDは、多くのウイルスに共通しているRBD を持つので、より強くつき、多くの抗体を作るであろう。


(7)(Pan-SarbecovirusNeutralizingAntibodiesinBNT162b2-Immunized SARS-CoV-1Survivors | NEJM
(8)黒木登志夫『変異ウイルスとの闘い』(中公新書)p106

5.スパイクタンパクを越えて
これまでのワクチンは、スパイクタンパク(B)をターゲットにしてきたが、他のタンパクをターゲットにするワクチンはウイルスの進化に対して適応することができる。アメリカのベンチャーによってすでに開発が進められ、第 III 相試験も終わっている。

図 5

ウイルスのスパイクタンパク(B)を標的にするワクチンはウイルスの進化に対応できないので、ウイルスの他のタンパク(C―E)を標的にするワクチンが開発されている。



 

6.増幅するmRNA ワクチン
RNA ワクチンのmRNA が自己増幅するよう複製酵素を組み込み、作られるタンパク量を増やす方法。

図 6

ワクチンのmRNA に複製酵素を組み込み、mRNAを増幅させる。



7.Nanoparticle プラットフォーム
ナノ粒子に抗原となるタンパクを植え込み、ワクチンとして使用する方法。実際のウイルスに似た形態をとり、多くの抗体量が期待できる。多くの企業が研究し、
実際承認されたものもある。韓国のこの種のワクチンは2022 年に承認されたが、韓国内で使用されなかったため製造を中止したという。

図 7

サッカーボール状に自己組織化したFerritin を「プラットフォーム」として用い、その上にタンパクを植え込む。



8.鼻粘膜用ワクチン
すでに5種類の鼻ワクチンが承認されている(中国から2つ、インド、イラン、ロシアかる一つずつ)。しかし、注射法よりも優れているかどうかはまだ分かっていない。


図8

感染の入り口である鼻にワクチンを滴下すると、粘膜が免疫を獲得し、感染を防ぐ(青色)。筋肉注射は杯で効果を発揮する(赤色)。



先行するワクチン

図9

世界で先行するワクチン。Pfizer-BNT と Moderna の間には倍以上の大きな差がある。
なお、SinoPharm と CoronaVac は中国製ワクチン、Bharat Biotech はインド製、Sputnik Vはロシア製ワクチン。



E. 細胞のレセプタータンパクに似せた「おとり」は
   COVID 感染を防ぐであろう。

ワクチンもモノクロナール抗体も、ウイルスのレセプター結合部位をターゲットに設計されている。しかし、ウイルスの結合部位は変異を重ねて、逃げようとする。発想を変えて、細胞の結合部位(ACE2)を「おとり(囮、decoy)」として体内に入れて、ウイルスと結合させ、ウイルスの力を弱める方法がある(9)。ワクチンではないが次世代の技術である。
ACE2 デコイの設計、安全性など多くの問題があったが、いくつかの研究機関はデコイの開発に力を入れている。ACE2 デコイの研究は、2005 年に SARS の流行の際にウイーン大学のグループによって始められた。NYU のチームは、ウイルスを体内に送るときに使われるベクターにデコイの遺伝子を組み込み、マウスに投与したところ、デコイの生産を確認され、マウスは 2 ヶ月間、感染から免れた。
(9)Protein decoys for viruses may battle COVID-19 and more | Science | AAAS7

 

 

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