社会と個人 どう向きあうの

林住期 どのように暮らすのか。日々、自問自答する。

(166) 「あしたの少女(英題 ネクスト・ソヒ) 」鑑賞

 

 

 

 

 

 

 

シネマート心斎橋で10時からの部を鑑賞。観客は20数名。

 

映画.COMから

「私の少女」のチョン・ジュリ監督とペ・ドゥナが再タッグを組み、2017年に韓国で起こった実在の事件をモチーフに、ごく普通の少女が過酷な労働環境に疲れ果て自死へと追い込まれていく姿をリアルに描いた社会派ドラマ。

高校生のソヒは、担任教師から大手通信会社の下請けであるコールセンターを紹介され、実習生として働き始める。しかし会社は従業員同士の競争を煽り、契約書で保証されているはずの成果給も支払おうとしない。そんなある日、ソヒは指導役の若い男性が自死したことにショックを受け、神経をすり減らしていく。やがて、ソヒは真冬の貯水池で遺体となって発見される。捜査を開始した刑事ユジンはソヒを死に追いやった会社の労働環境を調べ、根深い問題をはらんだ真実に迫っていく。

ペ・ドゥナが刑事ユジンを演じ、少女ソヒ役には新進女優キム・シウンを抜てき。2022年・第23回東京フィルメックスコンペティション部門で審査員特別賞を受賞。

2022年製作/138分/PG12/韓国
原題:Next Sohee
配給:ライツキューブ

 

www.youtube.com

 

ペ・ドゥナは、最近ネットフリックスのドラマ「秘密の森」ではまった。実力のある方なので、大いに期待した。
少女ソヒ役にはキム・シウン、重い役を演じた。注目の女優だ。


2017年に実際にあった事件をモチーフにしたという。この事件は、韓国で「次のソヒ防止法」ともよばれる、非正規労働者保護法の成立に大きな役割を果たしたという。

この作品は、高校生の実習制度の問題を告発している。
コールセンターの労働や「実習生」の人権蹂躙、閉塞感は 日本も例外でない。
でも、日本では、残念ながら正面切って労働問題が映画になることがない。なので、韓国 凄い。韓国の社会にそれを受け入れる土壌があるということだ。

 



前半では、ソヒがダンスをする姿と並行する形で、コールセンターで過酷なノルマに苛まれる姿が描かれる。

 



後半では、刑事ユジンがソヒが勤めていた会社の実態に迫り、彼女を自死へと追いやった真相を探る。

 

 

 


joshrc.net

パワハラ いじめ うつ病 精神疾患
 
『次のソヒ』がやり遂げた・・・
       現場実習生の職場内いじめ禁止 

      2023年3月30日 韓国の労災・安全衛生
                                     ( 2023年2月6日 / 最終更新日時 : 2023年3月31日)

今後、職業系高校の現場実習生も、勤労基準法上の「職場内いじめ」禁止条項の保護を受けることになる。

教育部は30日、国会本会議で「職業教育訓練促進法」の一部改正案が議決されたと明らかにした。この法案は昨年1月と3月、正義党のイ・ウンジュ議員と共に民主党のソ・ドンヨン議員がそれぞれ代表発議したもので、先月、映画『次のソヒ』が封切りになった後、法案処理にスピードがついた。『次のソヒ』は、2017年にコールセンターの現場実習の途中で、実績の圧力などを訴えて自ら命を絶った職業系高校三年生のホン・スヨン(当時18歳)さんの話をモチーフにした映画だ。

今までの職業教育訓練促進法は実習生に、勤労基準法第54条(休憩)、第65条(使用禁止)、第72条(坑内勤労の禁止)、第73条(生理休暇)のみを適用していた。改正案は勤労基準法第7条(強制勤労の禁止)、第8条(暴行の禁止)、第9条(中間搾取の排除)、第10条(公民権行使の保障)、第36条(金品清算)、第76条の2(職場内いじめ発生時の措置)、第77条(技能習得者の保護)などを追加で適用し、罰則規定も加えた。

職業教育訓練促進法改正案の本会議通過で、今後、実習生に強制的に仕事をさせたり、暴行・脅迫・監禁した使用者を、5年以下の懲役または5千万ウォン以下の罰金刑に処すことになる。「職場内いじめ」に対しても、使用者や学校長・教師に申告することができ、申告を受けた者は直ちに事実確認のための調査をしなければならない。

   2023年3月30日   ハンギョレ新聞 イ・ユジン記者

        https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/1085936.html

 

 

 

ashitanoshojo.com

  

1980年、韓国麗水市生まれ。成均館大学校映像学科を卒業後、映像メディア全般の学問的な特性を研究する中で自然と映画に出会う。韓国芸術総合学校に入学し、映画を専攻した。その後、2007年に「わたしのフラッシュの中に入ってきた犬」、2010年に「影響の下にいる男」と2本の短編映画を発表。2014年には、初長編監督作品『私の少女』が、第67回カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門に出品され、多くの海外メディアから関心を集める。
 

 

 

 

ダンス好きな高校生が自死する。暗く重い映画。過酷な労働環境、激しい競争社会、貧困。シビアな現実を突きつけられる映画。ほとんど感情移入できず作品からは希望とか感じることができなかった。数年前の韓国の現実は、今の日本の現実でもある。
一種のカタルシスを感じたのは、刑事ユジンが真相追及の手を緩めない姿。
私の評価 80点。

 

 

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