社会と個人 どう向きあうの

林住期 どのように暮らすのか。日々、自問自答する。

(350) 「このろくでもない世界で」鑑賞

 

 

 

 

 

 

大阪ステーションシネマで9時5分からの部を鑑賞。観客は、意外、少なかった。10数人。

 

  

 

映画.COMから

荒んだ毎日を送る少年と裏社会に生きる孤独な男の運命が交錯する様子を描いた韓国発のクライムドラマ。

とある地方の暴力がはびこる町。貧しい家庭で育った18歳のヨンギュは、継父からの暴力に耐える日々を過ごしていた。そんな彼にとって、義理の妹ハヤンと悪態をつきながら一緒にハンバーガーを食べる時間が唯一の救いだった。しかしある日、ヨンギュはハヤンを守るために暴力沙汰を起こして高校を停学になり、示談金を請求されてしまう。生き抜く術を持たないヨンギュは、地元の犯罪組織のリーダーであるチゴンを頼り、彼のもとで働くことに。憧れのチゴンに徐々に認められていくヨンギュだったが、ある日、組織の非情な掟に背いてしまい……。

「私のオオカミ少年」などの人気俳優ソン・ジュンギが裏社会に生きる男チゴンを大胆かつ繊細に演じ、映画初主演のホン・サビンがヨンギュ、同じく新人のキム・ヒョンソがヨンギュの義妹ハヤンを演じた。監督・脚本は、本作が初長編となるキム・チャンフン。第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門出品。

2023年製作/123分/R15+/韓国
原題:Hopeless
配給:ハピネットファントム・スタジオ
劇場公開日:2024年7月26日

 

www.youtube.com

 

ネットフリックスドラマ「ヴィンチェンツォ」にはまったことがある。主人公は、ソン・ジュンギだった。イタリアンマフィアの顧問弁護士を務める韓国系イタリア人を演じた。

韓国ノワール映画はやっぱり迫力がある。
Noir(ヌワール、ノワール、ノアール)はフランス語で黒という意味。

ソン・ジュンギは犯罪組織のリーダー。
このリーダーの生い立ちが苛酷だ。そして、ヨングとハヤンという異母兄妹と父母の家族が貧しい。
人間の悪意や差別、暴力、闇金融、社会の暗部をさらけ出す。

 

 

 

 

  

 


兄妹がかばいあう姿がいじらしい。
向かうところ敵なし!!??
ヨンギュ役のホン・サビン、義妹ハヤン役のキム・ヒョンソがいい。

 

 

7/26(金)公開・映画『このろくでもない世界で』公式サイト



1997年4月18日生まれ。地を這いずり回るようなどん底の経験を、動物的な勘で演技に昇華させる新進気鋭の演技派。漢陽大学演劇映画科在学中に映画の助監督や舞台の演出などスタッフの仕事を続けながら、約2000作のオーディションを受け、約80本の短編映画に出演。『休暇(原題)』『爆炎(原題)』で頭角を現し、『ユ・ヨルの音楽アルバム』ではチョン・ヘイン扮する主人公の亡き友人役で登場した。オーディションで主演を勝ち取った本作の演技について「中学校の時にいじめられていた時の気持ち、彷徨っていた時間、劣等感に悩んだ日々すべてを盛り込んだ。そのため、理解できないことはひとつもなかった」と語っている。

 

1985年9月19日生まれ。『スペース・スウィーパーズ』や「ヴィンチェンツォ」で不動の実力・人気を証明している、韓国を代表するトップ俳優。2008年に『霜花店(サンファジョム) 運命、その愛』でデビューして以来、映画とドラマを行き来し、さらに「ミュージックバンク」をはじめ音楽番組のMCを務めるなど、マルチな才能を発揮してきた。演技の振り幅も大きく、韓国内外でシンドロームを巻き起こした「トキメキ☆成均館スキャンダル」と「太陽の末裔」では、凛々しさと時折見せる子犬のような笑顔でハートをわしづかみに。近年では、実在する財閥をモデルにした「財閥家の末息子~Reborn Rich~」や脱北者の過酷な生活を描く『ロ・ギワン』など社会派作品で、内面をリアルかつ丁寧に演じる技量を見せている。本作ではチゴンという難しい役に挑み、存在感から表情、声のトーンまで徹底的に変身させて、キャラクターの内面と外面を繊細に表現。出演を決めた理由について「これは韓国映画界に絶対に必要なプロジェクトだと信じていたので、参加する機会をいただけて感謝している」と語った。

 

BIBIという活動名で広く知られるシンガー。サバイバル番組「THE FAN」で準優勝し、2019年にシングル「Binu」でデビュー。2024年2月にリリースしたダブルシングルのタイトル曲「Bam Yang Gang(栗ようかん)」が韓国でチャート1位を独走して話題をさらった、今もっともホットなアーティストのひとり。本作のヨンギュを守ろうとする大胆かつ芯の強いハヤン役には、熾烈なオーディションを勝ち抜き、抜擢された。「私が大人の道へと新たな一歩を踏み出すことができる映画」と語っている。本作で2024年百想芸術大賞<新人演技賞>に輝いた。

BIBI  曲「Bam Yang Gang(栗ようかん)」

www.youtube.com

 

 



初長編監督作品『このろくでもない世界で』で、キム・チャンフン監督は、過酷な現実から逃れようとするヨンギュと、彼に同情するある地方の犯罪組織のリーダー、チゴンの物語を練り上げた。本作は実話ではないものの、監督自身が経験しなければ描けないと言わしめた通り、リアリティを帯びている。デビュー作でカンヌ国際映画祭に招待されたことからも、新たなフィルムメイカーを渇望していた韓国映画界がその才能に注目している。幼い頃から映画監督になる夢だけを見てきた監督は、東亜放送芸術大学映画芸術科を卒業後、脚本・演出・撮影・編集を担当した短編映画『ダンス・ウィズ・マイ・マザー(原題)』(12)でデビュー。
『このろくでもない世界で』のシナリオは、生計のためにモーテルでアルバイトをしながら、受付のカウンターで執筆した。思い通りにならない人生に重ねて、「積極的に行動することが、まったく予想できなかった結果になる悩み」を盛り込んだと語る。

 

 


主人公の周りを多くの役者が固める。存在感が光る。

 

 

  

 

 

 

 



くその世界で、兄妹は希望をもてるのだろうか。バイクに二人乗りしたスクリーンの画面が明るかったが……



 

 

暗い映画。
ひとの嫌なところをこれでもか、これでもかとぶっつけてくる。現実の世界をスクリーンの中で学習しているかのようだ。「そうだ」「そうだ」とうなづきながら、もう一方で、私よりも苛酷な環境と自分自身を比較してほっとしたりする。
場面、場面、次から次へ、緊張感が途切れない。
韓国ノワール映画、流石。ハズレがない。
私の評価 80点。

 

 

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