社会と個人 どう向きあうの

林住期 どのように暮らすのか。日々、自問自答する。

(406) 「動物界」と「アイミタガイ」を鑑賞

 

 

 

 

 

 

 

 

昨日 (11月9日) 、半ドンの仕事を終わって 映画をはしごした。

1本目。
大阪ステーションシネマで13時20分からの部を鑑賞。7割ぐらいの入り。

  

 

映画.COMから

人間がさまざまな動物に変異してしまう奇病が発生した近未来を舞台に家族の絆を描き、本国フランスで観客動員100万人を超えるスマッシュヒットを記録したSFスリラー。

近未来。原因不明の突然変異により、人間の身体が徐々に動物と化していく奇病が蔓延していた。さまざまな種類の“新生物”は凶暴性を持つため施設で隔離されており、フランソワの妻ラナもそのひとりだった。ある日、新生物たちの移送中に事故が起こり、彼らが野に放たれてしまう。フランソワと16歳の息子エミールは行方不明となったラナを捜すが、次第にエミールの身体に変化が起こり始める。

彼は秘密の女ともだち」のロマン・デュリスがフランソワ、「Winter boy」のポール・キルシェが息子エミールを演じ、「アデル、ブルーは熱い色」のアデル・エグザルコプロスが共演。2014年のデビュー作「Les Combattants」で高く評価されたトマ・カイエが監督・脚本を手がけた。

2023年製作/128分/PG12/フランス・ベルギー合作
原題または英題:Le regne animal
配給:キノフィルムズ
劇場公開日:2024年11月8日

 

www.youtube.com

 

主な舞台は、南フランスの森、湿地帯。

 

 


原因不明の突然変異で動物化。新生物体。
鳥、タコ、センザンコウ、熊、カメレオン、カエル、…… に。

 

 

  

 

 

  


大多数の人間は、この新生命体に恐怖を感じ、隔離と殺戮で対応。
新型コロナのパンデミックの時に、ロックダウンや緊急事態宣言で対応した時の感覚だ。他府県ナンバーの車を排除したり「自警団」で取り締まりをしたあの分断と差別。

不思議な感じの映画。新生命体にどこか親近感を持ってしまう描き方だ。
家族愛がテーマ。夫婦愛、親子愛。
息子が感染し、新生命体へ変異しようとするとき、父はそれを受け入れ新しい世界への旅たちを応援する。

 

  

 

 

 


エミール役のポール・キルシェがいい。変異していく過程での、その時々の表情が絶妙だ。ADHD(注意欠陥・多動性障害)をもつ恋人役のアデル・エグザルコプロスが魅力的。

 

スリラー映画との触れ込みがあったが、恐怖を感じることがなかった。

 

映画『動物界』公式サイト|11月8日(金)公開

 

 

 

 

  

 

 

 

湿地帯、新生命体、家族愛、独特な雰囲気を持つフランス映画。
面白い。最後まで飽きさせなかった。

私の評価は85点。



2本目は「アイミタガイ」。
梅田東宝シネマで、16時20分からの部を鑑賞。こじんまりとした会場、ほぼ満席。友達出来た高校生、カップル、年配の方、多様で全方位の観客。


映画.COMから

作家・中條ていの連作短編集「アイミタガイ」を黒木華主演で映画化し、親友を失った女性を中心に思いがけない出会いが連鎖していく様子を描いた群像劇。

ウェディングプランナーとして働く梓は、親友・叶海が亡くなったことを知る。恋人・澄人との結婚に踏み出せずにいる梓は、生前の叶海と交わしていたトーク画面に変わらずメッセージを送り続ける。同じ頃、叶海の両親である朋子と優作のもとに、とある児童養護施設から娘宛のカードが届く。そして遺品のスマホには、溜まっていたメッセージの存在を知らせる新たな通知が入る。一方、金婚式を担当することになった梓は、叔母の紹介でピアノ演奏を依頼しに行ったこみちの家で、中学時代の叶海との記憶をよみがえらせる。

梓の恋人・澄人を中村蒼、亡き親友・叶海を藤間爽子が演じ、草笛光子田口トモロヲ西田尚美が共演。「台風家族」の市井昌秀が脚本の骨組みをつくり、2020年に他界した佐々部清監督が温めていた企画をもとに、「彼女が好きなものは」の草野翔吾監督がメガホンをとった。

2024年製作/105分/G/日本
配給:ショウゲート

 

www.youtube.com


「アイミタガエ」(相身互え)、いい言葉。かたい言葉でいえば、「情けは人の為ならず」。柔らかくは「お互いさま」。
「アイミタガエ」、自然な感じがいい。

人を思いやる行為、全く関係ない行為が、繋がり繋がって、癒しと救いに。
"  もう昨日は昨日 明日は明日  今迄のことは忘れ
    花びら色のさわやかな日を 迎え始めています "

自然な流れで、感動の映画。





 

 

  

 

 

 

映画『アイミタガイ』オフィシャルサイト 2024年11/1公開



監督・脚本:草野翔吾
Kusano Shogo

1984年生まれ。群馬県出身。早稲田大学在学中に長編監督作が一般劇場で上映。2012年、オリジナル脚本の長編映画『からっぽ』が国内外の映画祭に選出される。2016年には川口春奈林遣都の主演で人気漫画を映画化した『にがくてあまい』を監督。その後『世界でいちばん長い写真』(18)『彼女が好きなものは』(21)で監督と脚本をつとめ、後者は第28回釜山国際映画祭Open Cinema 部門、第34回東京国際映画祭Nippon Cinema Now に正式出品された。そのほか連続ドラマ「消えた初恋」(EX/21)「こっち向いてよ向井くん」(NTV/23)でもメイン監督を担当するなど今後の活躍が期待される。

- Comment -
聞き慣れない、おまじないのような言葉だな、と思いながら「アイミタガイ」と題された脚本を読み始めました。
次第にパズルのように繋がっていく脚本に心地よく騙され、読み終える頃には温かな気持ちになったのを覚えています。
佐々部清さんが生前温めていた企画ということでプレッシャーもありましたが、最初に読んだ印象を大事に、自分ができることを精一杯やりました。
この映画が誰かにとっておまじないのようになってくれたら嬉しいです。

 


エンドロールで流れる主題歌・黒木華の「夜明けのハイウェー」。味わいがある歌声。

www.youtube.com

 


夜明けのハイウェー
 作詞・作曲 荒木一郎

悲しみをいくつかのりこえて来ました 
ふり返るわたしの背中に 
まだ雨が光ってます 
走っている途中でときおりつらくなって 
ふりかえりあなたの姿を 
追いかけてみもしました 
でも夜はもうじき明けてゆきます 
今迄と違う朝が ガラスのような 
まぶしい朝が 芽生え始めています 

悲しみをいくつかのりこえて来ました 
ふり返るわたしの後ろに 
ほら虹がゆれてるでしょう 

だからもうわたしは大丈夫です
今までと違う夢が 次第次第に 
心の中にあふれ始めています 

もう昨日は昨日 明日は明日 
今迄のことは忘れ 
花びら色のさわやかな日を 
迎え始めています 

悲しみをいくつかのりこえて来ました 
ふり返る 私の向うに 
青空が見えてるでしょう 

だからもうわたしは大丈夫です 
今までと違う夢が 次第次第に 
心の中にあふれ始めています

 

 


懐かしい、荒木一郎の歌声。

www.youtube.com

 

 

 


たくさん、たくさん、涙が出た。
カタルシス
名古屋育ちであるので、桑名市、津市など三重県が主な舞台になっていたので親近感を感じた。近鉄名古屋線、懐かしい。
人の善意を無条件に信じたくなるような映画。良質な作品。
私の評価は、95点。

 

 

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