梅田東宝シネマで、9時35分からの部を鑑賞。6割ぐらいの入り。
映画.COMから
現代の時代劇撮影所にタイムスリップした幕末の侍が時代劇の斬られ役として奮闘する姿を描いた時代劇コメディ。
幕末の京都。会津藩士の高坂新左衛門は家老から長州藩士を討つよう密命を受けるが、標的の男と刃を交えた瞬間、落雷によって気を失ってしまう。目を覚ますと、そこは現代の時代劇撮影所だった。新左衛門は行く先々で騒動を起こしながら、江戸幕府が140年前に滅んだことを知り、がく然とする。一度は死を覚悟する新左衛門だったが、心優しい人たちに助けられ、生きる気力を取り戻していく。やがて彼は磨き上げた剣の腕だけを頼りに撮影所の門を叩き、斬られ役として生きていくことを決意する。
テレビドラマ「剣客商売」シリーズなど数々の時代劇に出演してきた山口馬木也が主演を務め、冨家ノリマサ、沙倉ゆうのが共演。「ごはん」「拳銃と目玉焼」の安田淳一が監督・脚本を手がけ、自主制作作品でありながら東映京都撮影所の特別協力によって完成させた。一部劇場ではシーンを追加した「デラックス版」が上映。
2023年8月17日に池袋シネマ・ロサの一館のみで封切られ(8月30日からは川崎チネチッタでデラックス版が上映スタート)、口コミで話題が広まったことから同年9月13日からはギャガが共同配給につき、新宿ピカデリー、TOHOシネマズ日比谷ほか全国100館以上で順次拡大公開される。
2023年製作/131分/G/日本
配給:ギャガ、未来映画社
劇場公開日:2024年8月17日
出だしの効果音と音響で心を持っていかれた。懐かしい。
会津訛りの高坂新左衛門役の山口馬木也がいい。朴訥の侍を演じる。
幕末の恩讐はどのように晴れたのであろうか。「最後の武士」の撮影の中で、会津戦争の結末を知ってどう気持ちを整理できたのであろうか。
真剣を使っての撮影シーンは、緊張感あふれる。息をのんでスクリーンを見ていた。時代劇、本当に素晴らしい。
緊張から脱力。
幕末の京都から現代の時代劇撮影所にタイムスリップ。撮影所での「切られ役」として自分の居場所を求めていく。
「最後の武士」の主役はどのような苦悩を持っているのであろうか。真剣での立会いの意味が重い。
助監督役のヒロイン・沙倉ゆうの、初めての女優。この映画の助監督も努めているとのこと。真剣の立ち合いの後で、高坂新左衛門役の山口馬木也の頬を思いきり叩いた。ジーンときた。
笑いも周りで沢山。私も笑った。
高坂新左衛門役 / 山口馬木也
藤田まこと主演「剣客商売」で息子役秋山大治郎を演じて以来、数多くの時代劇をはじめテレビ、映画で活躍。
大河ドラマも常連の実力派俳優。
最近では時代劇「鬼平犯科帳 本所・桜屋敷」に鬼平の親友左馬之助役が記憶に新しい。
本作は役者生活25年で自身初となる長編映画での主演。
「インディーズ作品であるという戸惑いより、とにかく脚本が面白かった」と出演を快諾。
「この作品、この役との出会いに感謝。役者を続けてきて良かった」と語り関係者を泣かせる。
山本優子役 / 沙倉ゆうの
未来映画社製作「拳銃と目玉焼」では薄幸のヒロイン、「ごはん」では主役を演じる。
米作り農家を描いた「ごはん」では2017年の公開まで4年、以降地方のホール等で公開が連続38ヵ月続く間を含め、のべ7年以上も行われた追撮に参加。その間、変わらぬ若さに皆が驚いた。
本作では劇中で助監督優子役を演じつつ、実際の撮影でも助監督、制作、小道具などスタッフとしても八面六臂の活躍。
現在は東映京都俳優部に所属し、テレビ、映画で目にする機会が増えている。
監督・脚本・撮影・照明・編集・他 安田淳一
1967年京都生まれ。大学卒業後、様々な仕事を経てビデオ撮影業を始める。
幼稚園の発表会からブライダル撮影、企業用ビデオ、イベントの仕事では演出、セットデザイン、マルチカム収録・中継をこなす。業務用ビデオカメラ6台を始め、シネカメラ5台、照明機材、ドリー、クレーン、スイッチャー、インカム他を保有。
2023年、父の逝去により実家の米作り農家を継ぐ。多すぎる田んぼ、慣れない稲作に時間を取られ映像制作業もままならず、安すぎる米価に赤字にあえぐひっ迫した状況。
「映画がヒットしなければ米作りが続けられない」と涙目で崖っぷちの心境を語る。
自主映画製作歴
2014年「拳銃と目玉焼」(113分)東映系シネコンにて全国6都市・各都市ミニシアターにてロードーショー、全国のツタヤ・ゲオにレンタルDVD3000枚以上納品。Huluにて配信されレイティング4.0を獲得。
2017年「ごはん」(108分)シネコン全国5都市他ミニシアターにてロードーショー後、各地で様々な主催者による上映イベントが38ヵ月続くロングラン作品となる。2019年秋、動員12,000人達成。
「拳銃と目玉焼」予告編
「ごはん」予告編
時代劇への愛をたくさんもらった。
幕末の京都で雷に打たれたのは3人。会津藩士の高坂新左衛門の他の二人はどこに。
物語がうまいことつくられていて、最後の最後まで飽きさせない。
私の評価は95点。
もっともと多くの映画館で長く上映されたらと思う。ぜひ映画館で観ていただきたい映画だ。