社会と個人 どう向きあうの

林住期 どのように暮らすのか。日々、自問自答する。

(225) 「市子」鑑賞

 

 

 

 

 

 

 

半ドンの仕事を終わり、シネ・リーブル梅田まで。
JR大阪駅から少し距離があり、「どうしようか」と迷った。「鵞足炎」のリハビリにもなるだろうと考えて決行(?!)。傘を杖代わりにして。
うめきた地下口を通ってみた。新しくきれい、まだ人も少ない。
地下に飾りが。

地下口を出て、うめきた広場に。

  

 

そして、梅田スカイビルまで頑張って歩く。地下道ではなく地上に通りができていた。
スカイビルでは、ツリーが飾られていた。

 


シネ・リーブル梅田で、13時50分からの部を鑑賞。こじんまりした会場、ほぼ満席だった。

映画.COMから

「僕たちは変わらない朝を迎える」「名前」などの戸田彬弘監督が、自身の主宰する劇団チーズtheaterの旗揚げ公演として上演した舞台「川辺市子のために」を、杉咲花を主演に迎えて映画化した人間ドラマ。

川辺市子は3年間一緒に暮らしてきた恋人・長谷川義則からプロポーズを受けるが、その翌日にこつ然と姿を消してしまう。途方に暮れる長谷川の前に、市子を捜しているという刑事・後藤が現れ、彼女について信じがたい話を告げる。市子の行方を追う長谷川は、昔の友人や幼なじみ、高校時代の同級生など彼女と関わりのあった人々から話を聞くうちに、かつて市子が違う名前を名乗っていたことを知る。やがて長谷川は部屋の中で1枚の写真を発見し、その裏に書かれていた住所を訪れるが……。

過酷な境遇に翻弄されて生きてきた市子を杉咲が熱演し、彼女の行方を追う恋人・長谷川を「街の上で」「愛にイナズマ」の若葉竜也が演じる。

2023年製作/126分/G/日本
配給:ハピネットファントム・スタジオ
劇場公開日:2023年12月8日

 

www.youtube.com


冒頭のシーンが最後にも流れる。市子は、軽快だ。

市子は何者か。
無国籍、ヤングケアラー、障碍者殺し、母親の教育放棄、など社会的問題を取り上げる。かといって、社会派の映画でもない。
時間軸が動いて、物語が展開する。苦手だ。主人公が何才か とっさに計算できない。いらいらする。

市子のしたたかさに感心してしまう。
車の事故 (偽装事件?)で死んだのは誰か。
エンドロールで流れるのは、鼻歌か。よく聞こえなかった。

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

12/8(金)公開『市子』公式サイト

 


恋人の前から忽然と姿を消した女性。想像を絶する壮絶な過去を持つ…。

PROFILE
1997年生まれ、東京都出身。『湯を沸かすほどの熱い愛』(16/中野量太監督)で第 40 回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞 をはじめ、多くの映画賞を受賞。「とと姉ちゃん」(16/NHK)でヒロインの妹を演じ、「花のち晴れ〜花男 Next Season〜」 (18/TBS)では連続ドラマ初主演を果たす。その後、NHK 連続テレビ小説「おちょやん」(20-21)と「恋です!〜ヤンキー君と白杖 ガール〜」(21/NTV)で第 30 回橋田賞新人賞を受賞。近年の主な出演作に『十二人の死にたい子どもたち』(19/堤幸彦監 督)、『青くて痛くて脆い』(20/狩山俊輔監督)、『妖怪大戦争 ガーディアンズ』(21/三池崇史監督)『99.9-刑事専門弁護士 -THE MOVIE』(21/木村ひさし監督)、『大名倒産』(23/前田哲監督)、『杉咲花の撮休』(23/WOWOW)などがある。今後も『法廷遊戯』(11月10日公開)、『片思い世界』(24年公開予定)などが待機中。

COMMENT
この役を託してもらえたことに今も震える思いです。
市子の、人生に関わった去年の夏。
撮影を共にした皆さまと、精根尽き果てるまで心血を注いだことを忘れられません。
その日々は猛烈な痛みを伴いながら、胸が燃えるほどあついあついものでした。
あなたやあなたのすぐ隣にいる人へ
この映画が届いてほしい。
彼女の息吹に手触りを感じられることを願っています。

 

市子と3年間一緒に暮らしていた恋人

PROFILE
1989年生まれ、東京都出身。2016年、第8回 TAMA映画賞・最優秀新進男優賞を受賞。作品によって違った表情を見せる幅広い演技力で数多くの作品に出演。若きバイプレーヤーとして評価を高める。映画『葛城事件』(16/赤堀雅秋監督)での鬼気迫る芝居で注目を集め、『愛がなんだ』(19)や『街の上で』(21)など今泉力哉監督作品で欠かせない存在に。今後も『愛にイナズマ』(10月27日公開)、主演映画『ペナルティループ』(24年3月公開予定)が待機中。杉咲花とは、連続テレビ小説「おちょやん」(20/NHK)、『杉咲花の撮休/第2話・ちいさな午後』(23/WOWOW)などで共演している。

COMMENT
この映画を軽薄に人間をカテゴライズして「わかっている」と安心したがる人に観て欲しいです。
この映画が寂しくて寂しくて頭がおかしくなりそうなひとりぼっちの誰かに届いてほしいです。

 


市子の高校時代の同級生

PROFILE
1996年生まれ、大阪府出身。子役として活動を始め、映画『しゃべれども しゃべれども』(07/平山秀幸監督)の村林優役を好演。以後も順調にキャリアを重ね、『ちはやふる』三部作(16~18)の机くんこと駒野勉役で存在感を発揮。近年の主な出演作に「今際の国のアリス」(20/Netflix)、「真相は耳の中」(22/テレビ東京系)、「王様に捧ぐ薬指」(23/TBS系)、「ドロップ」(23/WOWOW)など多数。2023年NHK連続テレビ小説「ブギウギ」に股野義夫役で出演。

COMMENT
「本当にこれでよかったのか」「別の方法はなかったのか」登場人物たちにそんな思いを馳せながら、
完成した作品を観させていただきました。撮影中も似たような自問自答を繰り返しながら演じていましたが、
自分のあり方において大切な時間だったと思っています。参加できて光栄でした。

 



市子を捜索中の刑事

PROFILE
1978年生まれ、大阪府出身。2000年に俳優デビュー。キャリアを重ねるごとに存在感あるバイプレーヤーとして名を馳せる。映画『罪の声』(20/土井裕泰監督)の壮絶な半生をおくる生島聡一郎役で「第96回キネマ旬報ベスト・テン助演男優賞をはじめ、各方面で称賛を得た。近年の出演作に、映画『ビリーバーズ』(22/城定秀夫監督)、『探偵マリコの生涯で一番悲惨な日』(23/内田英治監督・片山慎三監督)、ドラマ「あなたがしてくれなくても」(23/CX)など。2023年NHK連続テレビ小説「ブギウギ」にゴンベエ役で出演。

COMMENT
初めての戸田組、若葉さんとの共演、とても良い時間でした。
僕自身映画を観る時は事前情報がない真っ白な状態で観たいのですが、
ただ一つ言うならば、杉咲さん演じる市子を見て、人間そのものがミステリーなんだと改めて気づかされました。

 

 市子の母親

PROFILE
大阪府出身。歌手活動を経て、2003年に俳優デビュー。映画『パッチギ!LOVE&PEACE』(07/井筒和幸監督)のヒロイン・李慶子役で脚光を浴びる。その後も映画、ドラマ、舞台と多岐に渡って活躍。近年の主な出演作に「今夜はコの字で」(20・22/TX)、「ただ離婚してないだけ」(21/テレビ東京)、「クロサギ」(22/TBS)、映画『窓辺にて』(22/今泉力哉監督)、『母性』(22/廣木隆一監督)など多数。2024年に劇場版公開および時代劇専門チャンネルで新作ドラマが放送される「鬼平犯科帳」シリーズが待機中。

COMMENT
2015年に舞台「川辺市子のために」を拝見し、彼女の人生の複雑さに、同じように苦しみ、そして抱きしめてあげたくなりました。
戸田監督と共に考え話している中で、この作品への熱い想いが自然と湧き上がりました。
完成した市子を観て、悲しみや孤独の中にいて、誰からも見つけてもらえない人へ、手が差し伸べられますようにと、この映画の中に願いました。

 

 



PROFILE
1983年生まれ。奈良県出身。チーズfilm代表取締役。チーズtheater主宰。日本劇作家協会会員。映画監督、脚本家、演出家として活動。2014年に『ねこにみかん』で劇場デビュー。代表作は、映画『名前』(18)、『13月の女の子』(20)、『僕たちは変わらない朝を迎える』(21) 、『散歩時間~その日を待ちながら~』(22)などが有り、国内外の映画祭で受賞。舞台では、「川辺市子のために」がサンモールスタジオ選定賞2015最優秀脚本賞を受賞。ほか、チーズ theater 全作品の作・演出を担当。外部演出は、大竹野正典作「黄昏ワルツ」、横山拓也作「エダニク」、花田明子作「鈴虫のこえ、宵のホタル」、松田正隆作「海と日傘」など。近年は、佐久間宣行が企画、根本宗子が脚本を担当したsmash.配信ドラマ「彼の全てが知りたかった。」(22)を監督。舞台「ある風景」(23)が日本劇作家協会プログラムとして上演された。

COMMENT
僕が少年期に生きた1990年代。
大人になった今振り返ると、少年時代には気づけなかった闇が近くにあったように思います。
本作は、1人の女の子である「川辺市子」を、彼女と関わった人達の証言から、その人生を浮かび上がらせました。
偽りが多い世の中で、いつの時代も確かな他者を見つけるのは困難です。
多くの他者から見える印象で一人の人間を見つめ、見えてきたものとどう向き合うか。
それが現実的な他者との距離であり、接点だと思っています。
彼女の取った行動や、彼女の境遇。それを見つめたこの映画を観て「市子」をどう感じて頂けるのか…
色んな感想を聞きたいです。そして、議論をして貰えたらこの上なく幸せです。
その大切な役を、杉咲花さんに託しました。杉咲さんにお渡しするのが僕の願いでした。
捉えようの難しい脚本の中に居る「市子」が、杉咲さんの圧倒的な感性とエネルギーによって可視化され、顕在化されていきました。
撮影現場のその興奮を忘れられません。
市子は、僕たちの生きる世界線の地続きに、確かに生きている。そう思うのです。
沢山の人に、確かなことが届くことを期待しています。

 


人間そのものがミステリー(宇野祥平)、この映画を見て強く思った。
長谷川や北のような人、今の世の中では見つけることができないのではと思った。いくら市子が魅力的であったとしても

 

 

 

 

 

 

  

 


みそ汁、みそ汁の匂い、幸せそのものかもしれない。

中村ゆり (川辺なつみ役)という女優、魔性そのもの、怖い。最後、合掌するのは何に対してであろうか。

 

長谷川の探求や刑事・後藤の捜査によって、時系列を前後しながら市子の素性が明らかにされる。驚きの事実が白日の下にさらけ出されるわけだが、それほどの緊迫感を感じなかった。
「人間そのものがミステリーだ」。
この映画をどのように感じ想像するのかは観客にゆだねられているように感じた。そこが面白いところなのかもしれない。興味深い映画。
私の評価は80点。

 

 

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