社会と個人 どう向きあうの

林住期 どのように暮らすのか。日々、自問自答する。

(332) 「あんのこと」鑑賞

 

 

 

 

 

 

 

半ドンの仕事を終わって、テアトル梅田で14時20分からの部を鑑賞。こじんまりした会場、ほぼ満席。年齢層は多様、女性客が多いように感じた。

シネ・リーブルがこの4月にテアトル梅田として、改装・名称変更した。
変更して初めての来館。

スカイビルタワーは、七夕の飾り付け。

  


改装されたテアトル梅田。落ち着いた雰囲気で一新。待機時間に座るところが整備されて、グッド。大阪では唯一だと思う。リラックスして来やすくなったと思う。



広々とした感じもいい。

 

映画.COMから

SR サイタマノラッパー」「AI崩壊」の入江悠が監督・脚本を手がけ、ある少女の人生をつづった2020年6月の新聞記事に着想を得て撮りあげた人間ドラマ。

売春や麻薬の常習犯である21歳の香川杏は、ホステスの母親と足の悪い祖母と3人で暮らしている。子どもの頃から酔った母親に殴られて育った彼女は、小学4年生から不登校となり、12歳の時に母親の紹介で初めて体を売った。人情味あふれる刑事・多々羅との出会いをきっかけに更生の道を歩み出した杏は、多々羅や彼の友人であるジャーナリスト・桐野の助けを借りながら、新たな仕事や住まいを探し始める。しかし突然のコロナ禍によって3人はすれ違い、それぞれが孤独と不安に直面していく。

「少女は卒業しない」の河合優実が杏役で主演を務め、杏を救おうとする型破りな刑事・多々羅を佐藤二朗、正義感と友情に揺れるジャーナリスト・桐野を稲垣吾郎が演じた。

2024年製作/113分/PG12/日本
配給:キノフィルムズ
劇場公開日:2024年6月7日

 

www.youtube.com

 

4年前、2020年春。新型コロナウィルス・パンデミック、遠い昔のようだ。
この映画を見て、あの時に、パンデミックが弱い人々の生活を翻弄したことを、もう一度再認識した。
その時代状況の中で、香川杏 (河合優美) の再生の営みが踏みにじられていく。

 



  

 


  




刑事・多々羅 (佐藤二郎)の「ノーコメント」は解明されないまま。
ジャーナリスト・桐野 (稲垣吾郎)の中途半端な正義感は誰かを救ったのであろうか。

  



  

 

 

杏の母親・香川春海(河井青葉演じる)、娘への虐待が凄まじい。

 

シェルターの隣人・三隅紗良(早見あかり)の杏への感謝の思いが救い。
登場シーンは少なかったが、彼女の言葉が希望だった。
隣人からの依頼を受けた杏は、愚直に誠心誠意対応し行動する。ひとりで。
母からその行動を取り上げられ、杏はこれで絶望したのであろうか。

 

 

映画『あんのこと』公式サイト|2024年6月7日(金)全国公開

 



 

入江悠 / 監督・脚本

2009年、自主制作による『SR サイタマノラッパー』が大きな話題を呼び、ゆうばり国際ファンタスティック映画オフシアター・コンペティション部門グランプリ、第50回映画監督協会新人賞など多数受賞。2010年に同シリーズ『SR サイタマノラッパー2 女子ラッパー☆傷だらけのライム』、2012年に『SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』を制作。2011年に『劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まないっ』で高崎映画祭新進監督賞。『AI崩壊』(20)で日本映画批評家大賞脚本賞
その他の作品に『日々ロック』(14)、『ジョーカー・ゲーム』(15)、『太陽』(16)、『22年目の告白-私が殺人犯です-』(17)、『ビジランテ』(17)、『ギャングース』(18)、『シュシュシュの娘』(21)、『映画ネメシス 黄金螺旋の謎』(23)など。

COMMENT

2020年、コロナ禍で大切な人を亡くしました。
すこしだけ注意を向ければその人の苦しみに気づけたかもしれないのに、自分のことばかりで精一杯でした。
時代の移り変わりがどんどん早くなり、多くのことを忘れていってしまうから、この映画を作って刻みつけておきたいと思いました。
旅立った人へ向けて映画を作るという行為が正しいのか今もわからないのですが、鎮魂の気持ちをこめて作りました。

 




河合優実 / as香川杏

2000年12月19日生まれ、東京都出身。
2021年出演『サマーフィルムにのって』『由宇子の天秤』での演技が高く評価され、第43回ヨコハマ映画祭<最優秀新人賞>、第35回高崎映画祭<最優秀新人俳優賞>、第95回キネマ旬報ベスト・テン<新人女優賞>、第64回ブルーリボン賞<新人賞>、2021年度全国映連賞<女優賞>を受賞。2022年は『愛なのに』、『女子高生に殺されたい』、『PLAN 75』をはじめ計8本もの映画に出演し、第35回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞<新人賞>を受賞。その他の出演作に、『ちょっと思い出しただけ』、『冬薔薇』、『百花』、『線は、僕を描く』、『ある男』(22)、『少女は卒業しない』、『ひとりぼっちじゃない』(23)、『四月になれば彼女は』(24)など。

COMMENT


この映画を作ること、杏のことを演じるということで、何ができるのか、何をすべきなのか、何がしたいのか。繰り返し問いながら、でも彼女と心の中でしっかりと手を繋いで、絶対に離さずに、毎朝、今日もよろしく、いってきますとお祈りして撮影に向かっていました。強く信じながら作った映画です。よろしくお願いいたします。

 

 






 

 

ずっとずっと暗い映画。
結末がどうなるのか、スクリーンを観ながら考えた。ちょっと光が見えたけれど、やはり暗かったというのが感想。
最後のほうでの留置場での面会、被疑者多々羅と桐野のやり取り、意味深々だ。
多々羅はこの場面では、まだ被疑者だと思うのだが……  犯罪者かどうか、私には判断がつかない。 

 

 



「暗い映画」との前評判だったので、しり込みしたのが本音。
そして、予想通り暗い映画だった。でもでも、いろいろと考えさせてくれた。コロナ禍のことをもう一度思い起こさせてくれただけでも意味がある。嫌なことや辛いことは忘れてしまいたいものだ。
観てほしい映画。
私の評価は 80点。

 

 

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