社会と個人 どう向きあうの

林住期 どのように暮らすのか。日々、自問自答する。

(29)気になってしかたがない「戦争プロパガンダ10の法則」

共同通信の全国世論調査(昨年12月17日、18日)によると、【敵基地攻撃能力の保有】の賛成50.3%、反対42.6と 賛成が上回った。

2023年、明るい年になるのか、すっきりしない。

正直言って怖い。ギスギスしている風潮を感じてしまう。
まだまだ 【敵基地攻撃能力保有】に反対するが40%を超えていることに希望を持ちたい。

 

太平洋戦争当時の日本。
『敵は「鬼畜米英だ」』と煽り、野蛮なものとして敵愾心を植えつけた。
アメリカでは、日本人のことを「ジャップ」と呼び、野蛮凶悪な国民であるかのように宣伝した。
時の権力者がお互い、国民が戦争を支持するように、世論を操作した。
相手の国民性を否定的に伝えるような報道、相手こそが非常識で、自分たちは正しいという論調。
大東亜共栄圏」なる旗印で、アジアの人たちを踏みつけた。そして、沖縄戦、本土空襲、原爆投下、など数知れない犠牲があったことを忘れてしまったのであろうか。

 

今、毎日のように朝鮮民主主義人民共和国の「挑発行動」が報道され、尖閣列島近辺の「緊張激化」が伝えられる。

昨年2月のロシアによるウクライナ侵攻が衝撃的だった。戦争の凄惨さが毎日のように報道される。

「わけのわからない国が攻めてきたらどうしよう」という不安。この切実な不安にどうこたえるのか。
少なくとも軍備増強競争で問題が解決しないことは自明である。自明であると思うのだがどうであろう。自明であるならば、何をするのか、何ができるのか。 
『「自由と民主主義」対「専制主義」』という構図を正しいものとして、安全保障方針を進めて大丈夫であろうか。分断の拡大にしかならないと思うのだがどうであろうか。

1945年の敗戦後、日本が平和を享受できたのは、平和憲法が国是としてあり、それを守り抜こうとする営々たる努力があったからだ。日本が戦争をしない国として世界に向かって発信してきたからだと思う。

 

さて、こんな時節だからであろうか。ベルギーの歴史学者アンヌ・モレリの書「戦争プロパガンダ10の法則」を思い起こすことが多くなった。

「戦争プロパガンダ10の法則」

1.われわれは戦争をしたくない

2.敵側が一方的に戦争を望んだ

3.敵の指導者は悪魔のような人間だ

4.われわれは偉大な使命のために戦う

5.敵はわざと残忍な行為に及んでいる

6.敵は卑劣な兵器や戦略を用いている

7.受けた被害は小さく、敵に与えた被害は甚大

8.芸術家や知識人も正義の戦いを支持

9.我々の大義は神聖なものである

10.この正義に疑問を投げかける者は裏切り者である

 

 

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