社会と個人 どう向きあうの

林住期 どのように暮らすのか。日々、自問自答する。

(344) 告発者を守れない組織は何でしょう? 告発を受け止めることのできない組織に未来はあるのか??

 

 

 

 

 

上に立つものの矜持

・手柄は譲り、責任は取る

・仕事に厳しく、人に優しく

・好き嫌いで人を選別するな

・人を育てる視点を失うな

・信用しない人は信用されない

・任せたら、待つ

・過去の自分と部下を比較するな

・来る者拒まず、去る者追わず
 (頼られたら応え、軽視されても怒るな)

・考え過ぎない
 (心配事の80%は起こらない。起きてしまう20%のうち80%は
  解決可能。つまり、全体の4%が本当に問題)

 

私の住んでいる隣の県・兵庫県のトップは、このメッセージを見てどう思ったのでしょうか。
メッセージは、この7月に自死した元西播磨県民局長渡瀬康英さんが西播磨の人たちに2月に発したものの最後の部分。兵庫県のホームページに掲載されていた (今は削除) 。

兵庫県/令和6年2月 県民局長メッセージ(西播磨県民局長 渡瀬康英)

 


(略)

○  選ばれる職場、働き続ける職場
春が近づいてくると、就職に関する話題が多くなってきますね。「就職人気ランキング」というデータを数多く見かけます。調査方法が異なるからでしょうか、結果は様々で、何が正解なのかいまいちピンとこない気もします。その中で地方公務員や国家公務員が上位を占めているランキングもあります。ソニーや味の素と同列で地方公務員が一括りにされて比較される意味があるのかやや疑問ですが、公務員は景気不景気に関わらず一定の人気はあるようです。一方で、具体の採用となると定員割れがおきている、という報道もありました。これって、どういうことなのか。総じて希望者は多いが職種によっては違うのか、応募者は多いが、採用したい人は集まってこないのか。誰でもいいからと定員まで採用すれば、数は確保できるかも知れませんが、それでは将来に大きな借りを作ります。一旦採用すれば約40年雇用していかなければなりません。生涯賃金を考えれば、その職員1人を採用するということは「大きな買い物」といえます。ところが、近年、転職のための若い世代の途中退職が増えていると聞きます。地方公共団体間で行き来する例もあるようです。実家へ戻らなくてはならなくなったので故郷へとか、単身赴任が難しく遠方への転勤が無理なので市町へと理由は様々で、一概に悪い話ばかりではないのでなんとも言いようがないですが、一生懸命育てた職員に出ていかれる側の団体にとっては痛手であることは間違いありませんね。特に小さな市町ですとリカバリーが大変だそうです。

就職先を選ぶにあたっての条件って、どのようなことなのでしょうか。やりがい、将来性、労働条件、雰囲気などなど。そして、現に選ばれている企業・団体の実態はどうなのでしょうね。実際に働いてみて、どうだったのでしょうね。

地方公務員を希望する人がどの団体を選ぶのか、この理由はなかなか面白いです。実際に自分が採用面接をしていた時の経験では、「公務員になりたいのは分かりましたが、では何故、兵庫県なのですか」と尋ねます。答えは色々と返ってきますが、模範解答のオンパレード。で、突っ込んでいくと、案の定、結局はあやふやな答えに。まあ、それでいいんですけど。だいたい、自分からして30数年前に兵庫県を受験した理由は、兵庫県って、安定していてそれなりに大きいし、市町は地元密着過ぎるし、なんとなく自分に合っているのとちがうかな、てな調子でしたから。
でも、結果的に今まで辞めずにこられたということは最初のインスピレーションが間違ってなかったということかも知れません。ありがたいことです。

これからの兵庫県は、志ある次世代の若者達に選ばれ続けることが出来るでしょうか。職員達が働いていたいと思う組織であり続けられるでしょうか。いわゆるビジネス書系では、山口周さんの書籍をわりと読んでいます。著書「劣化するオッサン社会の処方箋」という本の中には、“組織は必然的に劣化する”という仮説を人間行動学、組織論、歴史的事実などから論理的に説明しようとされています。組織の劣化はひとえに権力者の取り巻きの劣化が原因である。自分より優秀な者を讒言により権力者から遠ざけ、真実に蓋をし、判断を誤らせる。その組織はどんどんと腐敗し落ちぶれていく。そんな論調です。歪な人事は組織を蝕んでいきます。そして、一握りの者たちが自らの栄達と保身に明け暮れ、気がつけば、権力者の周囲には二流、三流のイエスマンが主流を占めている状況に。権力者は好き嫌いで人を評価します。既に一部の者だけが居心地よい組織になってしまっていたとしたら末期ガンと同じです。余命はあと何年でしょうか。そして、そのような組織の腐敗・内部崩壊も外部にはなかなか伝わりにくく、不祥事、事件の発生といった出来事でようやく世間の知るところとなるのです。いや、これ、兵庫県のことを言ってるのと違いますよ、念のため(笑)

(略)

 

○  上に立つものの矜持(出来ているという訳ではないですよ、もちろん)

手柄は譲り、責任は取る

仕事に厳しく、人に優しく

好き嫌いで人を選別するな

人を育てる視点を失うな

信用しない人は信用されない

任せたら、待つ

過去の自分と部下を比較するな

来る者拒まず、去る者追わず(頼られたら応え、軽視されても怒るな)

考え過ぎない(心配事の80%は起こらない。起きてしまう20%のうち80%は解決可能。つまり、全体の4%が本当に問題)

 


私は、アークタイムズの望月望月衣塑子さんの X で知った。

https://x.com/ISOKO_MOCHIZUKI/status/1812048107485716631

 

 

渡瀬さんは、3月にトップのパワハラ問題などを告発し、問題の所在が明らかにされることなく、停職3か月の懲戒処分を受け、百条委員会への出席を前にして、7月7日に自ら命を絶った。
自死はあまりにもつらい。


兵庫県のトップはどうされるのだろうか。
トップの応援団の一人、前大阪市長松井一郎さんはこんなことをおっしゃっている。

https://x.com/gogoichiro/status/1811735968703218038

 

 

公益通報の調査結果を待つことなく、懲戒処分を受けた渡瀬さんの無念を思うと納得できない発言だ。

 

告白者を守れない組織に未来はない。告発を受け止めれない組織のトップを誰が信用できるのだろうか。

 

 

 

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