(370)　「ドイツのための選択肢（AfD）」とは何者か

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ドイツは16州からなる連邦国だ。
その内、東部のテューリンゲン州とサクセン州で、9月1日、州議会選挙が行われた。
テューリンゲン州では、移民・難民排斥を掲げる右派「ドイツのための選択肢（AfD）」が第1党となった。州議会レベルでAfDが第1党となるのは初めてとのこと。

ドイツのための選択肢 (AfD)
極右政党で、移民政策やEUに対する懐疑的な立場を取る。
2013年に設立され、2017年の連邦議会選挙で議席を獲得した。

右傾化の波がドイツに押し寄せているということに注目しなければと思う。

来年9月28日にに予定されているドイツ連邦議会 (下院議席数736) 選挙にどう影響が及ぶのか。

www.47news.jp

ドイツの州議会選、右派が第1党　反移民、
国政与党は大敗

ドイツ・テューリンゲン州で州議会選を受け、
記者団に話す「ドイツのための選択肢」筆頭候補のビョルン・ヘッケ氏＝1日（ゲッティ＝共同）

2024年09月02日 09時44分共同通信

　【ベルリン共同】ドイツ東部テューリンゲン州で1日、州議会選が実施され、移民・難民排斥を掲げる右派「ドイツのための選択肢（AfD）」が第1党となった。州議会レベルでAfDが第1党となるのは初めて。ショルツ首相の中道左派、社会民主党（SPD）など国政連立与党はいずれも大敗した。単独で過半数に達する党はなく、連立交渉が焦点。AfDによる州政権発足の可能性は低そうだ。

　欧州で広がる右傾化がドイツでも強まっている。今回の州議会選は来年9月の総選挙の前哨戦ともなり、既成政党は危機感を募らせている。

　同じく1日にあった東部ザクセン州の州議会選では、国政で保守野党のキリスト教民主同盟（CDU）が首位に立ち、AfDは僅差で第2党。

　両州は旧東ドイツ地域で、東西統一からほぼ34年を経ても旧西ドイツ地域との経済格差を抱える。移民に寛容な政策で国民の生活をないがしろにしているとの反発は大きく、政権や既成政党に対する不満の受け皿としてAfDが伸長してきた。

独極右AfD、州議会選で初めて第1党に出口調査写真6枚国際ニュース：AFPBB News

ドイツ東部エアフルトで、極右政党「ドイツのための選択肢（AfD）」のアリス・ワイデル共同党首こそが首相として望ましいとのメッセージを示す横断幕（2024年9月1日撮影）。(c)John MACDOUGALL / AFP

ドイツ東部ライプツィヒで、極右に抗議して民主主義や人権を訴えるデモの参加者（2024年8月25日撮影）。(c)Jens Schlueter / AFP

ドイツ東部ライプツィヒで、極右に抗議して民主主義や人権を訴えるデモで「ナチスの居場所はない」と書かれたプラカードを掲げる参加者（2024年8月25日撮影）。(c)Jens Schlueter / AFP

ドイツの政治体制について調べた。Perplexity を使った。

1⃣　ドイツの政治体制

ドイツは連邦制を採用した民主主義国家です。主な特徴は以下の通りです。

・連邦制
ドイツは16の州(Land)から成る連邦国家で、各州には州議会と州政府がある[1]
連邦と州の権限は明確に区分されている[2]

・議会制民主主義
立法府は連邦議会(下院)と連邦参議院(上院)からなる両院制[1]
連邦議会は国民による直接選挙で選出される[1]
連邦参議院は各州政府の代表者で構成される[1]

・連邦大統領と連邦政府
 国家元首は連邦大統領だが、その権限は儀礼的なものが多い[1]
行政のトップは連邦首相で、連邦議会で選出され連邦大統領が任命する[2]
各連邦大臣は連邦首相の提案により連邦大統領が任命される[2]

・連邦政府機関の構造
連邦政府機関は連邦最高官庁、連邦上級官庁、連邦中級官庁、連邦下級官庁に階層化されている[2]
連邦政府機関の多くはベルリンとボンに立地しているが、財政・金融関係の組織は別の都市にある場合もある[3]

・政党と連立政権
ドイツの主要政党にはCDU/CSU(キリスト教民主同盟/キリスト教社会同盟)、SPD(社会民主党)、緑の党、FDP(自由民主党)、左派党などがある[3]
単独過半数を得る政党は少ないため、連立政権が組まれることが多い[3]
各政党のイメージカラーを使って連立の組み合わせを表現することが多い[3]

以上のように、ドイツは連邦制と議会制民主主義を基盤とした政治体制を採っています。戦後の反省から直接民主主義的要素は排除し、間接民主主義を徹底しているのが特徴です。

Citations:
[1] https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84%E3%81%AE%E6%94%BF%E6%B2%BB
[2] https://www8.cao.go.jp/koubuniinkai/iinkaisai/2016/20160624/20160624sankou5.pdf
[3] https://www.mof.go.jp/public_relations/finance/202209/202209i.pdf
[4] https://www.britannica.com/place/Germany/Government-and-society
[5] https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/germany/data.html
[6] https://en.wikipedia.org/wiki/Politics_of_Germany
[7] https://www.tatsachen-ueber-deutschland.de/en/politics-germany/political-system
[8] https://en.wikipedia.org/wiki/Federal_parliamentary_republic

2⃣　ドイツの政党の特徴

ドイツの政党制度は多様性に富んでおり、各政党は異なるイデオロギーや政策を持っています。以下に主要な政党とその特徴を示します。

・主な政党とその特徴

ドイツ社会民主党 (SPD)
中道左派の社会民主主義政党で、労働者階級や労働組合の支持を受けている
社会政策や福祉政策に重点を置き、富裕層への課税を強化することを目指す

キリスト教民主同盟 (CDU)
中道右派のキリスト教民主主義政党で、伝統的には保守的な立場を取る
欧州連合（EU）や北大西洋条約機構（NATO）への支持が強く、財政的な健全性を重視する

バイエルン・キリスト教社会同盟 (CSU)
CDUの姉妹政党で、バイエルン州に特化している
社会問題に対してはCDUよりも保守的な傾向がある

自由民主党 (FDP)
自由主義を基盤とした政党で、政府の支出削減や税金の軽減を主張する
社会問題に関しては進歩的な姿勢を持ち、例えば同性婚の支持などがある

緑の党 (Die Grünen)
環境問題を重視する政党で、気候変動対策や環境保護に力を入れている
社会的な進歩性も持ち合わせており、時には他の政党と意見が分かれることもある

左翼党 (Die Linke)
極左の立場を取る政党で、富の再分配を強く主張する
NATOからの撤退や軍事行動の拒否を訴え、社会的な平等を目指す

ドイツのための選択肢 (AfD)
極右政党で、移民政策やEUに対する懐疑的な立場を取る
2013年に設立され、2017年の連邦議会選挙で議席を獲得した

・政党制度の特徴

多党制
ドイツの政治は多党制であり、複数の政党が議席を持つため、連立政権が一般的である
各政党は異なるイデオロギーを持ち、政策に関する意見が分かれることが多い

法的地位
ドイツの基本法（憲法）第21条により、政党は国民の政治的意思形成に寄与することが求められている
政党の内部秩序は民主主義の原則に適合している必要があり、違憲とされることもある

このように、ドイツの政党は多様な背景と政策を持ち、政治的な議論や連立交渉において重要な役割を果たしています。

Citations:
[1] https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84%E9%80%A3%E9%82%A6%E8%AD%B0%E4%BC%9A
[2] https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84%E3%81%AE%E6%94%BF%E5%85%9A
[3] https://www.dw.com/en/germanys-major-political-parties-what-you-need-to-know/g-43820148
[4] https://www.dw.com/en/spd-green-party-fdp-cdu-left-party-afd/a-38085900
[5] https://en.wikipedia.org/wiki/Politics_of_Germany
[6] https://handbookgermany.de/en/political-parties

3⃣　連邦議会と連邦参議院の構成

ドイツの議会は、連邦議会(下院)と連邦参議院(上院)の二院制をとっています。

・連邦議会

連邦議会は国民による直接選挙で選出される下院に相当する

議員数は最低598名で、小選挙区比例代表併用制により選出される[1]

政党得票率が5%以上、または3つ以上の小選挙区で勝利した政党のみが議席を得る[1]

現在の議席数は736で、与党が416議席を占めている[3]

・連邦参議院

連邦参議院は各州政府の代表者で構成される上院に相当する

議員数は69名で、各州の人口に応じて割り当てられる[2]

州政府の閣僚が議員を務め、州議会の承認は必要ない[2]

議長はペーター・チェンチャー(SPD)、第一副議長はマヌエラ・シュヴェーズィヒ(SPD)が務めている[3]

このように、連邦議会は国民の直接選挙で選出される下院であり、連邦参議院は各州政府の代表者で構成される上院です。両院の権限は明確に区分されており、立法過程においても重要な役割を果たしています。

Citations:

[1] https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84%E9%80%A3%E9%82%A6%E8%AD%B0%E4%BC%9A

[2] https://www.europarl.europa.eu/cmsdata/233173/Factsheet_DE_-_Bundesrat.pdf

[3] https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84%E3%81%AE%E8%AD%B0%E4%BC%9A

[4] https://en.wikipedia.org/wiki/Politics_of_Germany

[5] http://www.newsdigest.de/newsde/backnumber/4886-948/

[6] https://en.wikipedia.org/wiki/Bundestag

[7] https://young-germany.jp/2021/09/bundestagswahlen2021/

[8] https://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_11976506_po_02900105.pdf?contentNo=1

4⃣　現在の連邦議会の構成

現在の連邦議会は、2021年9月26日に行われた第20回連邦議会選挙の結果を反映した構成となっています。主な政党別の議席数は以下の通りです。

主な特徴は以下の通りです。

SPDが第一党となり、207議席を獲得しました。[1]
CDU/CSUは前回選挙から大幅に議席を減らし、196議席にとどまりました。[1]
同盟90/緑の党は過去最高の117議席を獲得し、第三党となりました。[1]
FDPは91議席を獲得し、第四党となりました。[1]
極右政党のAfDは77議席を獲得し、第五党となりました。[1]